Tommy Emmanuel Guitar Method – Episode 4

「Tommy Emmanuel Guitar Method – Episode 4」の解説です。

チューニングの考え方、Chet AtkinsやMerle Travisの奏法等についてTommy Emmanuel(トミーエマニュエル)が語ります。

チューニングの大切さ

見落としがちですが、最も大切なことのひとつにチューニングがあります。ステージに出る前に、私はチューニングに多くの時間を費やします。弦の交換も頻繁にします。必要と感じれば、毎晩でも弦を交換します。逆に翌日も良い音が出ている場合は弦の交換はしません。それは弦が安定しているので、触らずに置いておきたいからです。どのように弦を張り、どのように弦を引っ張って適切に伸ばし、時間を置いて安定させるかを学ぶ必要があります。チューニングをしては弦を引っ張るを繰り返して、ステージでギターを弾き、またチューニングをします。このようにチューニングを確認することはとても大切です。もし本当にチューニングが上手くできていれば、音の響きをより楽しめます。ハイポジションでも調律が取れます。チューニングの確認は必ずしますが、良い確認方法としてはコードを鳴らすことです。Aの音を鳴らしてみて、3rdの音を加えてみます。

チューニングが完璧ではありませんね(1弦修正)。こんな感じに聞こえます。とにかくチューニングを繰り返して、それが正しいかテストしてみる。チューナーが正しいと示していても、例えば、3弦がほんの少しシャープしていることもあります。そのときは弦を掴んで、ほんの少し引っ張ります。強く引っ張ってはいけません。そして、自分の耳が正しいと聴こえる音に調整します。これはとても大切なことです。

“Hope Sreet”によるチューニングの確認

“Hope Street”というアルバム”Never Too Late”に収録した曲があります。この曲は、あらゆる側面からチューニングをテストできます(演奏)。このコードなんかはすべての弦がチューニングできている必要があります。

他にはこんなのもあります。これはBridgeの終わりにある短いリフです(演奏)。

全ての音が上手く響く必要があります。このような曲はチューニングのテストにはぴったりです。この部分は左手の親指に強く力を入れて固定しています(演奏)。

これらの形のコードはチューニングのテストにはぴったりです。

Chet AtkinsとMerle Travisについて

それではChet AtkinsとMerle Travisについて少し話しましょう。もちろんMerle TravisはChetよりも以前の人で、Merleのスタイルを探求したいと思うのであれば、Everly Brothersの父親であるIke Everlyを聴くべきです。Merleが受けた影響がわかります。Merleに大きな影響を与えた人物は二人いて、Mose RagerとIke Everlyです。Merleは彼等からできるだけ多くのものを盗みました。私がMerleから多くを盗んだことと同じです。私たちは皆ケチな泥棒です。しかし、これが音楽の言葉を伝えていく方法なのです。Mose RagerとIke EverlyはMerleを感化しました。彼らのスタイルは、右手の中指・薬指・小指の3本をギターのボディに押し付けて固定する奏法で、こんな感じです(演奏)。Honky-Tonkなサウンドですが、Merleはこれを素晴らしい感覚・音・アイデアで非常に上手く演奏しました。Chet Atkinsはこの奏法を違った方向で発展させ、いわばもっと動的にしました。彼の初期の録音の多くは、私たちの耳を疑うくらい素晴らしい作品です。ChetとMerleの違いについて私が気づいたことは、Merleは”Nine Pound Hammer”のような曲を演奏する際は、例えばAの音を弾くときはEのベース音も一緒に弾いてしまいます。ガシャガシャした感じです(演奏)。Chetの場合はもっと規則正しい動きになります(演奏)。Travisだとこんな感じです(演奏)。ここでお勧めなのですが、もしMerle Travisスタイルで演奏する他者を見たいのであればThom BreshとEddie Penningtonをチェックしてください。彼等はMerle Travisについては、他の誰よりも多くを教えてくれます。彼等に比べたら私が知っていることは僅かです。なのでThom BreshとEddie Penningtonをチェックしてください。彼等が一番です。Chet AtkinsはMerle Travisを聴いて、彼のように演奏したいと思い、ギターを弾き始めました。そして彼独自のスタイルを確立し、Django Reinhardtを聴き、クラシック音楽とSegoviaを発見し、SegoviaがChetがエレキギターを弾いていることに気づき彼を出禁にするまで、Segoviaと共にギターについて学びました。Chetは色々なスタイルの知識と経験を有しており、私が彼と知り会ったときも、彼がクラシックギタリスト達にとても感心していることを知りました。なぜなら、彼らはクラシックギターをギター演奏の指標と見なしている人々のために、標準を設定したからです。私たちのようにEric ClaptonやJimi Hendrixの方を向いている人々にとっては全く別の世界ですが、それがギター演奏の指標である限り、皆クラシックギターの方を見ることになります。Chetも同じことをしたと思います。彼は多くの違ったスタイルに対してより広い心を持ち、ロックギターやフォークギターや色々なスタイルを好きになりました。彼は私に色々な曲を教えてくれました。どのように良いメロディを聴き分けるのか、どのように良い音を得るのか、そのようなことを多く教えてくれました。一緒にアルバムを制作していた時の話ですが、毎朝、彼は私をスタジオに連れてきてはBobbie Gentryのレコードを聴かせました。”Billy Joe MacAllister jumped off the Tallahatchie Bridge~”という歌詞だったでしょうか。毎朝この曲を聴きました。最も素晴らしい曲のひとつであるだけでなく、最も素晴らしい制作[1]ビジネスとしても成功したという意味と思われるなのだ 、と彼は云いました。私たちは何回も繰り返しこの曲を聴きました。

References

References
1 ビジネスとしても成功したという意味と思われる

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