エッセイ

エッセイ

心斎橋の大塚愛

昔、心斎橋に大塚愛がいた。 否、正確に言えば、大塚愛のコピーをしている女性が心斎橋にいた。商店街の地べたに置いたラジカセから大塚愛のカラオケを流し、それに合わせてマイクで歌を歌う。もちろんメイクや服装も大塚愛風である。ひと目見れば彼女の半端...
エッセイ

ライヨンとソクトクリーム

今回はライヨンとソクトクリームのお話。 ライオンとソフトクリームの打ち間違いではなく、ライヨンとソクトクリームのお話である。概要を述べれば、思い込みは聴覚を狂わせる、という話になるだろうか。 子供の頃、絵本を読み聞かせしてもらっていた人は多...
エッセイ

栗きんとん戦争

我が家の正月は栗きんとん戦争であった。 正月には母方の実家に帰ることが恒例となっていたが、母親の兄弟の子供たちも集まるので大変賑やかである。そんな子供たちの正月の楽しみは、お年玉、お雑煮、そして栗きんとんである。 栗きんとんはおせちの中に入...
エッセイ

一番古い記憶(その2)

この前、自分の一番古い記憶は「3歳頃の母親におんぶ紐で背負われていた時の記憶」と書いたのだけれど、実はもうひとつ、さらに幼い時の記憶がある。 それは母親のお腹の中にいた時の記憶。 どんな記憶かというと、お腹の中でうずくまっていると母親の笑い...
エッセイ

一番古い記憶

「一番古い記憶は何?」と聞かれて思い浮かぶのは、母親におんぶ紐で背負われて外の道を歩いている記憶である。 おんぶ紐は青色、空は青空、道は舗装されていない土の道、ママ友とともに兄の保育園のお迎えに向かうシーンで妙に具体的な記憶なのだが、おんぶ...