ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して剣呑な雰囲気が世界に広がる昨今であり、無関心でいることもできないので奥山真司氏の著書「サクッとわかるビジネス教養 地政学」を読んで少し勉強です
2020年の出版の本書ですが、ロシアとウクライナは地政学的に不安定な地域としっかり書かれています
現在の状況はそのリスクが顕在化した状態と言えるでしょう
本書の感想
地政学とは
そもそも地政学って何?学校で習ったことないけど…
みたいな状態の人の多いかと思います
地政学とは、地理的な条件から国同士の関係性・行動を考える学問とのことです
言い方を変えると、地理的な条件である程度国の性格が決まるとも表現できます
わかりやすい例を以下に3つ示します
- 島国:周りが海のため攻撃されにくい → 防衛費が低い
- 内陸国:侵攻されやすい → 緩衝地帯を求めて逆に先に攻め込む
- 半島:付け根から進行されると周りが海で逃げ場がない → 付け根の強国の影響を受けやすい
なるほど考えてみれば確かにという感じです
本書では国際政治を劇とすれば、地政学は舞台装置とも表現されています
言い得て妙ですね
地政学的に不安定な地域
地政学的に不安定な地域というのは相場が決まっているようで、3大不安定地域は以下のとおり
- アジア(中国 VS アメリカ)
- 中東(イラン VS アメリカ)
- ヨーロッパ(NATO/EU VS ロシア)
アフリカや南米等が別に安定しているという意味ではないと思いますが、歴史的に大きな衝突を繰り返してきた地域は上記の3つということでしょう
大国が絡むと被害が大きくなるという意味かなとも思いましたが…
チョーク・ポイントを押さえよ
チョーク・ポイントとは、船が航行するうえで絶対に通る海上の関所のようなところです
主要なものとして本書では以下の10個が挙げられています
- イギリス海峡
- ジブラルタル海峡
- スエズ運河
- バブ・エル・マンデブ海峡
- ボスポラス海峡
- ホルムズ海峡
- マラッカ海峡
- パナマ運河
- マゼラン海峡
- 喜望峰
10番目の喜望峰は単なる岬で通り道が狭いということはないのでは?
と思いましたが、海峡や運河のように隘路になっていなくとも、海上の要所をチョーク・ポイントと呼ぶのだと理解しました
なお、運河とは人工的に作った水路のことです
- スエズ運河:地中海からアフリカ周りをショートカットしてインド側の海に出る水路
- パナマ運河:カリブ海から南米周りをショートカットして太平洋に出る水路
運河の話を聞くといつも「人間ってすごいことするなぁ」と思います
アメリカは地政学的には島国
これはとても意外だったのですが、アメリカは地政学的には島国なのだそうです
カナダとメキシコが国境で接しているじゃない!
と思いますが、国力的にアメリカに伍することができないので地政学的には無視されているようです(冷徹)
2021年のGDPランキングで3国を比べてみると以下のとおりです
- アメリカ:22.7兆ドル(1位)
- カナダ:1.9兆ドル(9位)
- メキシコ:1.2兆ドル(15位)
単純に考えるとカナダ・メキシコはアメリカの10分の1以下の国力ということでしょうか
ちなみに日本は5.4兆ドルの3位です
ということとで、残るアメリカの東西は海なので島国ということになります
島国の特徴は海という天然の要塞に守られており攻撃されにくいです(もちろんミサイル攻撃は届きますが、進行を完了するには最後には船で乗り付ける必要があります)
アメリカって地の利も大きいということが理解できました〆
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