田中孝幸「13歳からの地政学」を読む

田中孝幸氏の著書「13歳からの地政学―カイゾクとの地球儀航海」では、最後にひとつの試験問題が出される。

自分にとっての世界の中心はどこか?

ドキッとする質問だ。自分は本書の内容をしっかり理解できただろうか。間違えるわけにはいかない。間違えたら嫌だ。そんな思考が一瞬にして頭の中を駆け巡る。

  • 貧しい国の特徴は、親が子供に支えてもらいたいと思っている。
  • 何のために勉強するかって?人に騙されないためだよ。
  • 日本はなんだかんだ言って、世界では勝者側の国とみなされている。
  • 現状に満足していない人にとって、歴史上の悪いことは、まったく過去の話ではない。
  • 恩というのは、世話になった人に返すものではなく、他の人に自分が受けたこと以上のことをすることだ。

カイゾクとの物語の断片が、記憶の中をぐるぐると回っている。次のページを開く前に、自分の答えを見つけるんだ。答えを読んでしまうその前に。

Kindleをタッチする手が小刻みに震えていた。

くそっ、思いつかない。うわぁぁぁーーーーー(精神崩壊)。

「ちんこ」

行き詰まった僕は、心のなかで自分が導き出した回答を呟いた。

「自分にとっての世界の中心、それはちんこ。」

間違いではないはずだ。ちんこに脳みそを支配されて生きている人間もいる。

そんなクソみたいな回答しか思いつかない自分に絶望しながら、僕は次のページを開いた。回答はこんな感じであった。

  • 回答1:中心はない。物事には様々な角度からの見方があることを自覚せよ。
  • 回答2:私が中心です。ただ人それぞれで中心が異なることも忘れないように。

アドラー心理学で「私は世界の中心ではない」という考え方があったなとふと思い出した。

他人はあなたを満足させるために生きているわけではないのだ。どんな文脈だったか忘れてしまったけれど、「自分が物語の主人公のように世界の中心である」という考え方は、傲慢で、他人の視点を軽視してしまうきっかけになりそうなので、やめたほうが良さそうと思った次第である。

コメント

タイトルとURLをコピーしました