Elizabeth Cotten – “Freight Train”を聴く

Tommy Emmanuel(トミーエマニュエル)がフィンガースタイルギターの入門曲として勧める“Freight Train(フレイト・トレイン)”(Tommyが説明する”Freight Train”に関する記事はこちら

原曲はElizabeth Cotten(エリザベス・コットン)の弾き語りです

以下の動画をご覧ください

とても個性が強いです

決して聴き易くはないのですが、次第に病み付きになるのが不思議

個性の正体は以下の3点だと思います

1.ギターが左右逆

動画を見て(左利きでギター弾いてるんだ…)と気づいた方

鋭いですが、もう1点気づくべきことがあります

普通の左利き演奏ではないです

通常、左利きのギター奏者はギターを左右逆に持ち替えた上で、弦も上下を入れ替えます

こうすることで、右利きと同じコードポジションで演奏が可能になります

Elizabeth Cottenの演奏を注意深く見ると、…なんと弦の上下を入れ替えていません!

つまり、右利き用のギターを単純に左利きに持ち替えて弾いています

おかげで、メロディを親指で、ベース音を人差し指で弾くことになります

なぜわざわざそんなややこしいことをするのか…謎です

しかし、おかげでこのスタイルは“Cotten picking”と名前が付き、彼女の個性となりました

2.親指と人差し指だけで弾く

弦を弾くのは基本、親指と人差し指の2本だけ

他の指は使いません

Merle Travisも同じ弾き方をしていたので、昔は珍しくはないスタイルだったのかもしれません

しかし、現代から考えれるとやはり独特な奏法に見えます

3.歌声

個性を決定づけているのはやはりこのしゃがれた歌声でしょう

歌っているというよりは、少し大きな声で喋っている、といった感じかもしれません

発声がどうとか、音程がどうとか、リズムがどうとか、その辺を超越した歌い方です

音楽とは何かを考えさせられます

なお”Freight Train”は彼女が11歳(1904年)のときに、家の近くを走る列車の音を聞いて作曲したようです

歌詞は哀愁が漂っているので、一部は大人になってから作詞したのかなと思います

以下、参考に歌詞も引用しておきます(日本語はけいや訳)

Freight train, freight train, run so fast 貨物列車は速く走るよ
Freight train, freight train, run so fast  貨物列車は速く走るよ
Please don’t tell what train I’m on 私がどの列車に乗っているか云わないで
They won’t know what route I’m going 私がどこに向かっているか彼らは知らない

When I’m dead and in my grave 私が死んでお墓の下にいるとき
No more good times here I crave 私が望むこれ以上の良い時間はない
Place the stones at my head and feet 頭と脚の位置に石を置いて
And tell them all I’ve gone to sleep  そして彼らに私は逝ってしまったと伝えて

When I die, oh bury me deep 私が死んだとき、地中深くに埋葬して
Down at the end of old Chestnut Street 町の道路の終わりの場所に
So I can hear old Number Nine 古いNo.9が聴こえるでしょう
As she comes rolling by  彼女が過ぎ去るときには

コメント

タイトルとURLをコピーしました