長尾彰氏の著書「宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。」を読みました
「宇宙兄弟」という漫画を題材にとって「リーダーとは何か?」について考える本です
結論としては、リーダーに求められるのはリーダーシップであって完璧さを追求する必要はない、と云ったところでしょうか
なお、けいやは漫画の宇宙兄弟は読んだことはありませんでしたが(映画の「宇宙兄弟」は観たことありましたが)、そんな人でも問題なく読めるように本書は構成されています
本書の感想
完璧なリーダーはもういない
現在の世界はあらゆる物事や変化のスピードが速いです
ですので、物事の結果がすぐに出る傾向が強いのですが、それにも関わらず、予測の不確実性は高く、誰も正解がわからない状態です
このような状況下で率先垂範・不動不惑のリーダーなど誕生するはずもありません
いや、いるのかもしれませんが、完璧なリーダーになろうとすると、とんでもなく疲れます
これは選ばれた相当タフな人間でなければ達成できないリーダー像と云えるでしょう
愚者風リーダーシップのすすめ
本書ではこのような完璧なリーダー像を賢者風リーダーシップとも表現しています
一方、本書ですすめているのが愚者風リーダーシップです
愚者風リーダーシップとは、完璧を求めることよりもリーダーシップの発揮、即ち自分の意思(Want)を周囲に発信することに重点を置いたリーダーシップ像です
完璧さはさておき、ただ発信すればよいので誰でもできるよね!という発想です
あなたは誰をシェイクしているか?
「自分の意思(Want)を周囲に発信する」についてもう少し補足すると、Wantの発信により周囲に影響を与え、「一緒に頑張ろう!」と思ってもらうことがリーダーシップになります
このように他人に影響を与えることを「人をシェイクする」と云うらしいです
なので「一緒にいると(見ていると)頑張ろうと思える人」のことをシェイカーと云います
タックマンモデル(チームの成長モデル)
本書はチームの成長モデルであるタックマンモデルについても言及されています
成長段階 | ファシリテーションの原則 | チームに必要なこと | メンバーの状態 |
形成期(Forming) | 共有 | コミュニケーションの量 | 依存・他責 |
混乱期(Storming) | 発散 | コミュニケーションの質 | 自立・自律 |
規範期(Norming) | 収束 | チームのルール・役割・目標への納得感 | 共存・共栄 |
達成期(Performing) | 決定 | 成功要因の振り返り | 統合 |
個人的には、混乱期に入ったチームを混乱期のまま放置するのは忍耐力が求められる気がしています
どうしても事なかれ主義で調整して形成期に逆戻りというパターンが多い気がしてしまいますが、こういうモデルを知っているだけでも現在のチームの状況を客観視できる助けになると思います
なお、本書の著者である長尾彰氏の職業はファシリテーターであるようです〆
コメント