司馬遼太郎「功名が辻」を読む

司馬遼太郎の「功名が辻」を読みました

戦国三大武将の織田信長・豊臣秀吉・徳川家康に仕え、後に土佐一国の主となった山内一豊とその妻・千代を題材に扱った小説です

司馬氏の40代前半(1963~1965年)の作品になります

2006年には同題名でNHK大河ドラマ(山内一豊:上川隆也、千代:仲間由紀恵)としても放映されています

本書の感想

司馬遼太郎の小説の中でもかなり読みやすい

基本的には山内一豊のサクセスストーリーなので、物語に疾走感があって非常に読みやすいです

司馬遼太郎の小説はちょっと難しそう…、と躊躇している人にもおすすめです

山内一豊と千代のキャラ設定

山内一豊は、一介の浪人から土佐の一国一城の主まで出世します

百姓から天下人にまでなった豊臣秀吉ほどの大出世ではありませんが、それでも戦国時代では第一級の出世と云って良いでしょう

それならば、山内一豊とはさぞかし有能な武将なのだろうと思ってしまいますが、キャラ設定としては真面目だけが取り柄のひどく凡庸な男となっています

それではなぜ出世できたのか?

となりますが、それは良妻賢母の妻・千代のおかげです

千代がとにかく賢く・器量があって、山内一豊の知恵袋と化して戦国の世を上手く渡っていきます

そういう意味では、凡庸な旦那を操作したい、と思っている女性にもおすすめの本かもしれません

衝撃のラスト

夫婦仲良く、苦楽を共にしながら戦国の世で大出世を果たした山内一豊・千代夫婦

このまま円満に終わるかと思いきや衝撃の一言でこの小説は終わります

以下に引用します

千代:「何のために今日まで生き続けてきたのやら、悲しかったのでございます。しかしもう申しませぬ。申しても栓のないことでございます」

一豊:「俺が馬鹿で無能だからか」

千代:「早く申しますと、左様なことになります」

功名が辻 -完-

何この失望に満ちた終わり方

と思ってしまいますが、このラストの理由は、土佐に入国した一豊が国内を平定するために土佐の領民を虐殺したからです

一国の主となった一豊は、自惚れてしまい、千代の意見を聞かなくなりました

その顛末が、上記引用のラストとなります

なお、上記引用文の後も「あとがき」という形で一豊・千代が没するまでの描写があります

豊臣秀吉の負のエピソードが語られる

司馬氏の豊臣秀吉に関する小説「新史太閤記」では、秀吉の正の部分にスポットライトが当てられ負の部分については封殺されているきらいがありました

しかし、本書では秀吉の負のエピソード「秀次処刑」について触れられています

「秀次処刑」とは簡単に云うと、

「思いがけなく生まれた実子を跡取りにしたいな。だけど今まで跡取りとして面倒を見てきた秀次邪魔だな。殺しちゃおう。ついでに秀次の女とその子供もみんな死刑!」

という話で、秀吉の命で30人くらいが惨殺されます

要するに人身が離れる負のエピソードですが、「新史太閤記」では完全にスルーされた話なので、本書で描写があり意外でした

おわりに

本書は司馬氏の小説の中でも非常に読みやすい本だと思いました

戦国期を題材に扱った司馬氏の小説を読みやすい順に3つ挙げると、個人的には以下になります

功名が辻 > 国盗り物語 > 新史太閤記

「功名が辻」は夫婦の会話パートも多く、より読みやすい印象です〆

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