雑誌「RFワールド-No.23-手作りで学ぶπ/4シフトQPSK」を読む

ずいぶん昔に読んで、すごく勉強になった記憶のある雑誌「RFワールド-No.23-手作りで学ぶπ/4シフトQPSK」。

久しぶりに本棚の奥から引っ張り出してきて読んでみました。

あいかわらず、ペットボトルに紐を巻き付けて、正弦波の波と位相の変化を同時に可視化するのがとてもわかりやすいです。

このペットボトルを頭に思い浮かべて、変調の式を眺めれば、より定性的にやっていることが理解できる気がします。

以下は適当にメモした内容です。

アナログ変調とデジタル変調の用語

アナログ変調ではAM,FM,PM、デジタル変調ではASK,FSK,PSKと言います。

ひたすらにθ=ωt

正弦波の式y=sinθから変調の式s(t)=A(t)sin{ωt+φ(t)}の繋がりがわからなくなったら、まずはθ=ωtの関係を思い出そう。

位相と角度周波数の関係

位相θ(t)を時間tで微分すれば角度周波数ω(t)。

角度周波数ω(t)を時間tで積分すれば位相θ(t)。

進み位相は左

位相が進むと波は時間軸上でどっちに移動するのか、ちょっと考えてしまったりする。

覚えたほうがラク。

プラス位相は左(マイナス方向)に波が平行移動します。

直交変調

変調の式s(t)=A(t)sin{ωt+φ(t)}に三角関数の加法定理を適用するとs(t)=I(t)sinωt+Q(t)cosωtになる。

直交変調の「直交」は搬送波成分のsinωtとcosωtの関係を指している。

複素数の導入

z(t)=A(t)e^j(ωt+φ(t))にオイラーの公式を適用して、実部を取ればRe|z(t)|=A(t)cos{ωt+φ(t)}となる。

これだけだと必要のない虚部を増やして何してるの?という感じだが、z(t)=A(t)e^j(ωt+φ(t))=e^jωt・A(t)e^jφ(t)とすると、e^jωtの搬送波成分(複素搬送波成分)を切り離せる。

A(t)e^jφ(t)(複素包絡線、ベースバンド成分)のほうにオイラーの公式を適用すると、I(t)+jQ(t)の形に変形できる。

これがコンスタレーションの図にマッピングされている式。

信号点の軌跡

コンスタレーション上の信号点の軌跡が原点を通ると信号回路のダイナミックレンジを非常に広く確保する必要がある。

値0はlog(dB)をとるとマイナス無限大になるので。

それを避けることができるのがπ/4シフトQPSK。

ナイキスト・パルス

周期Tで値が0になるパルス。これを周期Tで送り出せば、符号間干渉が起こらない。

コサイン・ロールオフ・フィルタはパルスをナイキスト・パルスに変換する。

ロート・コサイン・ロールオフ・フィルタは送信側と受信側の両方に仕込んで、合計でコサイン・ロールオフ・フィルタにするフィルタ。

印象に残った言葉

本号のメイン著者は小池清之氏ですが、以下の言葉が印象に残りました。

取り組んでいることが頭に定着するのには、ある程度の時間が必要。もの作りの時間はそれを提供しているのだと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました