ドキュメンタリー「宇宙:その始まりはどこからなのか」を観る

それは138億年前。宇宙が生まれたその瞬間から、僕達はずっと星屑を集めて生きている。銀河の遥か彼方からやってきた星屑は、ここ太陽系に辿り着き、地球や私達人間を形作っている。ドキュメンタリー「宇宙:その始まりはどこからなのか」は、そんな壮大な現実を思い起こさせてくれる作品だ。

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Witness the remarkable story of our universe over billions of years and its inextricable link to life on Earth in this s...

本作の各エピソードでは、それぞれ主人公となる動物がおり、その動物と宇宙の関係をなぞの迫力映像で綴る。例えば、チーターが主人公の場合、太陽のコアで核融合が起こり、光子が発生し、地球の植物まで光が届き、光合成により植物が糖を生成し、それを草食動物のヌーが食べ、そのヌーをチータが捕まえるまでを描くといった感じだ。映像は多くの部分がCGだが、特に動物の映像はどこまでが実写でどこからがCGなのか、あるいはその両方の組み合わせなのか、判別が難しい。

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チンパンジーってすげー腹立つよな。本作が与えてくれた一番の気づきがこれだ。チンパンジーの仕草を観ていると嫌悪感を禁じえない。樹の実をむしったり、その実を口に加えて遊んだり、樹上で他の動物を馬鹿にしたようなリラックスした姿勢で過ごしたり。なぜこんなにも腹が立つのか。おそらく、自分自身の嫌な部分を映し出す鏡だからだろう。

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どんなにきれいな服を着て、姿勢を正して、賢そうな言動を演出しても、これが私達の本性なのだ。機嫌の悪いボス猿が平気で仲間に暴力を振るうシーンは心が痛い。まるで人間を観ているようだ。暴力までいかなくても、人間はもっと陰湿な方法で憂さ晴らしをする。人間はまだまだ己の中のチンパンジー性を克服することができていない。というかこの本性は本能の部分に食い込んでいるので、いかに大脳を発達させてその本性を抑え込むという戦いになる。我々はチンパンジー性を抑制することはできても、完全に排除することはできない。我々はいつもチンパンジーとともにある。キリスト教が指摘する人類の罪というのは、このチンパンジー性を指しているのかもしれない。

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以下、各エピソードの雑な感想。

エピソード1:星の光を追って

チーターと光の話。子供のチーターがかわいい。

エピソード2:宇宙時計

チンパンジーと時間の話。チンパンジーでも子供はかわいい。

エピソード3:季節の変化

ヒグマと季節の話。子グマがきゃわいい。

エピソード4:元素

ウミガメと元素の話。卵が羽化してよちよち海に向かう子ガメがかわいい。

エピソード5:水の世界

ゾウと水の話。ゾウって非常に心優しい気がした。僕らの本性がチンパンジーではなく、ゾウであれば戦争なんてないのかな。

エピソード6:引力

ペンギンと引力の話。どうやってあの集団の中から親ペンギンは子ペンギンを見分けるのだろう。子ペンギンの鳴き声と説明があったけど、絶対間違えるだろ。普通に。

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