ひきたよしあき氏の著書「博報堂スピーチライターが教える短くても伝わる文章力のコツ」を読みました
この手の本はあまたありますが、本書は「文章上達の秘訣はとにかく書くこと、アウトプットの量で文書力が決まる」という身も蓋もない結論がしっかり書かれているところが、逆に好感が持てました
本書の感想
そもそも博報堂って何?
本書のタイトルに「博報堂スピーチライターが教える」と書かれていますが、いまいちそのネームバリューにピンときません
いや、有名な広告代理店だということはわかりますが、一般人にとって広告業界ってどれだけ馴染みがあるものなのでしょうか
まずは「博報堂って?」というところから調べ始めるちょっと悲しい状況が発生してしまいました
調べたところ、日本の3大広告代理店とその特徴は以下の通りらしいです
- 電通:グローバル展開に強み
- 博報堂:インターネット広告に強み
- ADK:キャラクターの版権に強み
ほーん、電通は知っているけど、ADKって?
っとまた無知ぶりを露呈してしまいましたが、なんでも「アサツーディ・ケー」と呼ばれているらしく、旭通信社(アサツー)と第一企画(ディ・ケー)が合併した歴史があるみたいです
ADKは「キャラクターの版権に強み」とありますが、「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」等の版権を持っているらしく、これらのキャラクターを使用するためにはADKを通さないと使えない仕組みになっているようです
いやー、勉強になります
…話を本書に戻すと「博報堂スピーチライターが教える」ではなく、「電通スピーチライターが教える」だとわかりやすかったなー、くらいの感想です
やっぱり「3」は大事
「3つ」はわかりやすいとよく聞きますが、本書でも以下のように述べられています
- 1:絶対の数字。ひとつの意見では強い自己主張にしか見えない
- 2:対比の数字。正誤や陰陽など、対立した概念を示すのによく用いる
- 3:調和の数字。人を納得させる力がある
- 4以上:人の記憶に残りにくい
また、人間がひと目で理解できる、読んで「わかりやすい」と感じる限界は40字(口頭では10秒くらい)とも書かれています
文書を書く際に、参考にしたい数字です
5W1Hについて
報告する際は「5W1H(あるいは5W2H)」を明確に!というのはビジネスの現場でもよく聞く言葉な気がしますが、実際すべてを満たしている文章ってほとんどない気がしています
例えば、桃太郎で5W2Hを明確にしてみましょうか
- 昔々(When)
- あるところに(Where)
- おじいさんとおばあさんが(Who)
- いました(What)
うーん、WhyとHowとHow muchが足りません
ストーリーの要約ならいけるかもしれない
- 昔々(When)
- 鬼ヶ島で(Where)
- 桃太郎が(Who)
- 村の平和を守るために(Why)
- きび団子を使って(How much)
- 犬と猿と雉の力を借りて(How)
- 鬼退治をしました(What)
これが5W2Hの文章ですね
個人的な印象は「なんか情報量が多くて話がすっと頭に入ってこない」です
本書では「4W+早い話しが~」という文章の書き方を提案しています
つまりは、
- 昔々(When)
- 鬼ヶ島で(Where)
- 桃太郎が(Who)
- 鬼退治をしました(What)
- 早い話が、勧善懲悪の話です
という書き方です
確かにこれくらいの文章の方が話がすっと頭に入ってきますね
手紙は4部構成
手紙の書き方も説明されていました
以下の4部構成にすると良いとのこと
- 時候の挨拶
- 現状
- 本音
- 思いやり
ちょっと練習でラブレターでも書いてみましょうか
落ち葉が風に舞う季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。今まで意気地がなく、あなたと話をする機会から逃げてきました。次にお会いするときは、自分の偽りを捨てて、あなたに気持ちを伝えたいと思います。忙しい年末を前に、風邪など召されぬようお気を付けください。
…一筆書きですが、気持ち悪いですね(汗)
もっと文章が上手くなるよう精進したいと思います〆
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