「明日の風」を採譜して分かった山崎まさよしのギター演奏の秘密

山崎まさよし(敬称略)ってギター上手いですよね

昔からちょっと気になっていたので、勉強がてらに「明日の風」のTAB譜を作ってみました

本記事では採譜してみてわかった山崎まさよしのギター演奏の秘密を明かしたいと思います(本人的に合っているかは知りませんが)

山崎まさよし「明日の風」のTAB譜

まずはTAB譜付き動画を作成したので以下をご覧ください

TAB譜のデータ(.ptb&.pdf形式)をダウンロードしたい方は、以下のリンクからどうぞ(download here!

001_tomorrow'sWind_YamazakiMasayoshi.ptb  

001_tomorrow'sWind_YamazakiMasayoshi.pdf

わかりやすさのため、一応メロディラインも一緒に採譜しています

採譜は耳コピを基本とし、よくわからない部分は音楽理論で補完しています

ですので、あくまで「こんな感じ」というレベルのTAB譜ですが、山崎まさよしの演奏流儀を感じる目的としては十分かなと思います

演奏解説

まず全体を通して云えることですが、コード音が複雑です

山崎まさよしのギタープレイは、ブルース・ギターの影響を多く受けていると云われているので、いわゆるギターの教則本に載っているような3和音のローコードは使用していないのには納得です

ただそれはあくまで耳で聞いた印象です

これを実際に採譜して演奏してみると、あることに気づきます

「あれ?開放弦がめっちゃ多くて弾きやすい」

そう、開放弦を多用しているため、

演奏がしやすい+音の残響を維持しやすい=弾き語りが映える

という公式が成り立っているように思えるのです

それに加え、音の残響が残っている間に、おかず的な動的フレーズを差し込むことで、「なんかギター上手い」という印象操作もできています

なかなか秀逸な弾き語り設計です

Aメロを例に説明してみる

例えばAメロを見てみましょう

能天気3和音3コードで攻めるなら、例えば以下のようなコードではまるでしょう

GーAーDーDーGーAーD

あるいは、3コード縛りから抜け出したいなら、こんなのもありです

GーAーDーBmーEmーAーD

一方、実際に山崎まさよしが使っているコードは以下です

Gmaj7(13)ーA7(11)ーDmaj7ーD6ーEm7add9ーA7(11)ーDmaj7

「コードが複雑すぎるよ…」と思ってひるんでしまいますが、いったん落ち着いてTAB譜の方を見てみましょう

 

 

 

 

 

 

TAB譜を見ると「全然弦押さえてないやん…」ということがわかります

コードネームだけ見ると(あるいは耳だけで聴くと)とても複雑な和音なのですが、ギター演奏に落とし込むととてもシンプルな形をしているのです

山崎まさよしのギター演奏の秘密

ここまで確認したところで、ひとつの仮説が頭の中に思い浮かびました

それは、山崎まさよしは演奏をシンプルにするためにコード音を崩しているのではないかということです

つまり、音楽的な曲想のイメージからコードを選択しているのではなく、ギター演奏をシンプルにした結果、複雑な和音を選択することになり、それがブルージーというか、山崎まさよし独特の曲の雰囲気を助けているという構図です

実際の作曲は、コードもメロディも歌詞も相互作用しつつ完成するため、もちろん「ギター演奏をシンプルにしてコードを複雑にする」という観点だけで作曲しているとは思いませんが、少なくともそういう側面はあるのかなと思いました

上手く聴こえるギター演奏のポイント

山崎まさよしのように、上手く聴こえるギター演奏のポイントをまとめると以下になります

  • 開放弦を多用する
  • 開放弦の音が残っている間にフレーズを差し込む

そして、この演奏のポイントは、なんと本ブログで記事を書きまくっているTommy Emmanuel(トミー・エマニュエル)の演奏の特徴にもそのままあてはまるのです!

ですので、上記のポイントは割と的を得ているのではないかと思います

「開放弦の音が残っている間にフレーズを差し込む」については、今回の曲「明日の風」では、スライド奏法の部分がそれにあたります(Tommyの場合は、ハンマリング/プリングが多いですね)

また、弾き語りする方は、上記で紹介した「ギター演奏をシンプルにしてコードを複雑にする」という手法は、どの曲でも応用がきくと思うので、自分の演奏に取り入れてみるとよいかもしれません

本内容が、誰かの何かに参考になれば幸いです〆

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