「図解 人材マネジメント入門」を読んだので、もう1冊人事の本を、ということで西尾太氏の著書「人事の超プロが明かす評価基準」を読みました
「図解 人材マネジメント入門」は人事の仕事の全体像について説明する本だとしたら、本書「人事の超プロが明かす評価基準」はタイトルのとおり「どうやったら人事に評価されるか?」というストレートな質問に答えてくれる本です
- 上司の評価が主観的で客観性がない
- 評価基準が不明確、人によって判断が変わる
- 何をしたら評価されるかわからない
こんな悩みを持っている人には是非ともおすすめしたい1冊です
本書の感想
人事評価の低い人の特徴
なんとなく「成果を出していない人」が人事評価が低いんだろうなー、というのは誰でも想像がつきますが、話はそこまで単純ではありません
高い成果を出していても会社から見て困った人になるケースはあるとのことです
例えば、以下のような特徴のある上司は会社から見た困った人のようです
- いつまでもプレイヤーとして振る舞っていて人を育てない
- 部下を自分の雑用係のように扱う
- 部下が悩んでいても、励ましや助言ができない
- 弱点や課題を指摘しない
- 部下のキャリアビジョンを把握していない
- 部下の目標設定ができていない
- 相談にならない
- 突然の退職者を出す
いかがでしょうか?
具体的な上司の顔がちらちらと浮かんだ人も多いんじゃないでしょうか
要は役職によって会社から求められる行動は変わってくるよということです
もう少し固い言葉を使うと、会社が求めているコンピテンシーを理解せずに、会社の求めている行動をとれない人は評価されないということです
求められるコンピテンシーは、新人・一人前・チーフ・課長・部長・役員と役職が変わるに従い、変わっていきます
そして、求められるコンピテンシーはどの会社でも概ね変わりません
本書では、“Business Core-Action Value 45 models (BCAV45)”と呼ばれる45個のコンピテンシーについて詳しく紹介されています
役職によって求められる役割
役職が変われば役割も変わる、ということで以下に簡単にまとめてみましょう
- 新人:仕事を教えてもらう段階
- 一人前:任された仕事を一人で遂行できる
- チーフ:チームを率いて目標を達成する
- 課長:目標達成、計画立案、人材育成など
- 部長:目標設定の大役を担う
- 役員:ビジョンや戦略の策定、組織運営など
こうしてみると当たり前ですが、役職が上がるにつれて、影響力の大きな役割を果たすようになります
「リーダーシップ=影響力」と別の本で読んだ記憶がありますが、本書ではフォロワーシップの大切さについても説かれています
フォロワーシップとは、疑問、不満、間違いなどをリーダーに対して伝えていくことが根幹だそうです
上司をコントロールできる部下、このレベルになるとかなり将来有望でしょう
人事評価は絶対評価を基本にすべき
本書では人事評価は絶対評価を基本にすべきとの立場をとっています
その心は、筆者の経験上、相対評価は主観・恣意的な序列を作ることが多いと感じているためのようです
要は、みんなA評価だけど、相対評価だから、必然的に誰かをB評価にしなければならず、その判断には多分に評価者の好みや主観が入るということです
また、多くの人の評価を取り入れる360度評価(多面評価)についても取り上げられていますが、こちらは人により評価基準がばらつくこと、期待値が高い人は損する傾向にあること、人気投票・印象操作をしやすい等の特徴が述べられています
〆
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