坪谷邦生「図解 人材マネジメント入門」を読む

Thinking

人事にあまりかかわりがない人

  • 人事ってなに考えて仕事しているのだろう?
  • 査定する人たちだからなんか印象怖いなー

そんな人事に対して漠然としたイメージしか持っていなかったので、坪谷邦生氏の著書「図解 人材マネジメント 入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための理論と実践100のツボ」を読んでみました

感想としては、図表を駆使して体系的に人事の仕事を説明してくれているためとてもわかりやすい本でした

概論を理解するなら、まずはこの1冊で問題ないのではと思います

本書の感想

本書の特徴としては、構造的に書かれているということが挙げられます

ですので、とても理解がしやすいですし、自分が興味がある章だけを拾い読みするのも容易です

以下、各章の要点や感想です

人材マネジメント

「マネジメント」の意味

そもそもマネジメントと云うとき、どのような内容を指していることが多いでしょうか

本書の冒頭で述べられるのは、マネジメント=管理ではないということです

それではなにかと云うと、英語のもともとの使い方からするとマネジメント=なんとかするだそうです

確かにしっくりくる説明ですが、管理の意味でマネジメントという単語を使っている場面は多々あるような気もします

じゃあ、管理の意味の英語は何なのかと考えてみましたがコントロール=管理なのかなと思いました

人材マネジメント VS 労務管理

人材マネジメントって労務管理と何が違うの?について、以下のようにまとめられています

労務管理
(Personnel Management)
人材マネジメント
(Human Resource Management)
タイムスパン短期的長期的
心理的契約コンプライアンスコミットメント
統制システム他者によるコントロールセルフコントロール
評価基準コストの最小化人材の最大限の活用

要は、人材マネジメントのほうが、社員に自律的・自主的な行動を求めているということです

こう並べて書くと、労務管理のほうは、社員を将棋の駒のように動かすイメージが強いのかもしれません

以下、人材マネジメントの詳細な説明に入りますが、その構成要素は、人事評価・報酬・等級・リソースフロー・人材開発・組織開発からなります

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人事評価

人事評価は、「仕事をやってもやらなくても給料が同じ」という不平等を回避するためにあります

人事評価の要点をまとめると以下のような感じです

  • 公平感ある処遇の分配
  • 社員の活用と育成
  • 企業文化の醸成

処遇の分配については、企業の利益は有限のため全社員に公平感を持ってもらうことは難しいと書かれています

そのため、評価プロセスを明らかにし、満足ではなく納得を目指すことが必要とのことです

なお、一次評価者は上司になりますが、ここの評価がゆがむとその後のすべての評価がゆがむとありました(評価する側もされる側も怖い話です)

なので、評価する側の人に対しては、自分の評価が上司や人事に覆されそうになったら戦う必要もあると書かれていました

報酬

報酬の種類は以下の2つに分類されます

  • 外的報酬:企業から与えられるもの → 満足ではなく納得を目指すもの
  • 内的報酬:仕事のやりがい、人間関係等 → 動機付けの要因

外的報酬は大きすぎても小さすぎてもよくないので、適度な外的報酬、大きな内的報酬がよいバランスです

等級

等級とは、人を何かの基準によってランキングするものです

人基準でランキングするものを職能等級、仕事基準でランキングするものを職務等級と云います

アメリカ等は職務等級が多く、「誰が」よりも「何を」しているかによって給料が決まります

日本は職能等級の傾向が強く、「何を」より「誰が」に重きを置かれる傾向があります

また、最近は職務等級と職能等級を組み合わせた役割等級を採用することも多いですが、2つのいいとこ取りの反面、曖昧な部分がある評価方法とも云われています

なお、戦後GHQは日本に職務等級を導入しようとしたが、日本的な伝統(後輩への指導、同僚との切磋琢磨、等が適切に評価されない)になじまず、淘汰されていったらしく、評価方法の導入には国民性や差別リスクの大小が影響するのだなと思いました

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リソースフロー

採用(入社)から異動、代謝(退職)までの企業の人材の流れをリソースフローと云います

異動についてはよく「なんで?」というような印象の配置転換を目にする気がしますが、異動の目的としては以下の3つに整理できます

  • 適材適所
  • 人材開発
  • 幹部育成

確かに振り返ってみると、いずれの異動も上記の3つの目的が透けて見える気はします

異動とよく似た言葉でジョブ・ローテーションがありますが、こちらの目的は以下の3つです

  • 幹部育成
  • 部署間コミュニケーションの活性化
  • 仕事の属人化防止

ジョブ・ローテーションのほうが、計画的な異動という意味合いが強い印象です

人材開発

能力は、一般的能力とその企業でしか通用しない特殊能力に分けられます

特殊能力については、等級やジョブ・ディスクリプションで定義されます

一般的能力の定義としては、カッツ・モデルや社会人基礎力といった整理があるようです

  • カッツ・モデル
    • 概念化能力
    • 対人関係能力
    • 業務遂行能力
  • 社会人基礎力
    • 前に踏み出す力
    • 考え抜く力
    • チームで働く力

これら能力の開発手法としては以下の3つです

  • OJT (On-the-Job Training)
  • Off-JT (Off-the-Job Training)
  • 自己啓発

実感としてよくありがちなのは、OJTという名の放置プレイ、Off-JTは眠い、自己啓発は時間がないというパターンですね

組織開発

人の間の「関係性」と「プロセス」を開発する、それが組織開発です

ここではいわゆる「グレートな企業」の特徴が述べられています

  • 注力すべき領域の見定めに多くの時間を費やす
    • 情熱をもって取り組めるもの
    • 経済的原動力になるもの
    • 自社が世界一になれる部分
  • リーダーの野心は個人ではなく会社に向けられている
  • 専門スキルより、性格や基礎能力を重視する
  • 過剰な管理はしない
    • 管理とは、規律の欠如と無能力を補うものでしかない

個人的な印象では、幹部になればなるほど、組織開発をやりたがる傾向があると思っています

トップが変わるたびに、部署再編が起こって現場がバタバタする、このパターンもあるあるかと

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