三好康之「天使に教わる勝ち残るプロマネ」を読む

秀逸なタイトルに釣られて、三好康之「天使に教わる勝ち残るプロマネ」を読みました

かわいい天使がプロマネについて優しく教えてくれます、以上!

じゃなくて、著者の三好氏が重度の乃木坂46オタクであることがわかるほ本です、以上!

…とまぁ、いろいろ突っ込みどころの多い本なのですが、本書の内容について真面目に言及すると、プロマネに悩む中年男とプロマネマスターの天使が織りなすストーリーを軸にPMBOK(Project Management Body of Knowledge:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)について概説する内容です

情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験やPMPの国際資格を狙っている人には、入門書としてさらっと読んでおいても良いかもしれません

本書の感想

やたら乃木坂46ネタがぶち込まれるので、そっちの印象が強い本ですが、その他印象に残ったことをいくつか紹介します

人間は命令されるのが嫌いな生き物

今まで優秀な成果を上げてきた人がプロマネになると上手くいかない…よく聞く話ではありますが、自分が成果を出すのと、他の人に成果を出してもらうのでは全く別のスキルが必要であることを強く意識しておく必要があります

他の人に動いてもらうには、命令する・お願いする・誘導する等いろいろ方法がありますが、本書では命令で人を動かすには限界があるという論調です

確かに、すべての行動を指示するのは不可能ですし、プロジェクトメンバーにはある程度自律的・自主的に行動してもらうことが求められます

プロジェクト・マネジメント3.0

マーケティングの世界は以下のように発展しているそうです

  • マーケティング1.0:製品中心主義。作れば作るだけ売れる世界。
  • マーケティング2.0:顧客(消費者)志向。競争激化の世界。
  • マーケティング3.0:参加型(価値主義)。ネットの進展により誰もが主人公になれる世界。
  • マーケティング4.0:自己実現型。顧客が成熟し自己実現を考えている世界。

プロジェクト・マネジメントの世界も、マーケティングで云うところの3.0や4.0の段階にあり、「一緒に盛り上げる」や「自己実現に協力する」といった視点が必要な段階にあるみたいです

けいやの創作ですが、プロジェクト・マネジメントの発展段階は以下みたいな感じでしょうか

  • プロマネ1.0:QCDを管理。リスク顕在化時は気合と根性(屍は乗り越える)
  • プロマネ2.0:QCDRを管理。リスク顕在時のコンティンジェンシープランあり
  • プロマネ3.0:QCDRの管理に加えコンプライアンスを順守(工数は掘っても出てこない)
  • プロマネ4.0:プロジェクトチームが自己実現を援助

プロマネの正しいオーラ

仕事できるオーラを出して職場に緊張感をもたらす人もいますが、真のプロマネはもっと温かいオーラを出し職場を良い雰囲気にするとのこと

私見ですが、ソフトウェア系の職場では居心地が良い・和気あいあいとした雰囲気が適していると思います

ただハードウェア系の、特に工事現場系の職場だと、もう少しピリッとした緊張感が必要な気もします

要は、事故で死人が発生する可能性がある職場には緊張感はつきものです

常にユーモアを持とう

雰囲気が良くするためにはユーモアが有効です

ユーモアにも以下の3種類があるとのこと

  • 攻撃的ユーモア:風刺、いじり、自虐、等
  • 遊戯的ユーモア:ダジャレ、言葉遊び、等
  • 支援的ユーモア:重いことを軽く笑い飛ばす、等

支援的ユーモアが少しわかりにくいですが、「昔は家が貧乏で公園に住んでいた」みたいなことです

遊戯的ユーモアと支援的ユーモアは人を傷つけることが少ないので積極的に使えるユーモアです

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