自民党総裁選に思う ─ 資本主義のタブーと奪い合いのロックンロール

スポンサーリンク

自民党総裁選が始まりました。
候補者の演説や政策発表を聞いていると、ほぼ全員が口をそろえて「経済成長」を掲げています。

もちろん、国力を高めるためには経済成長が必要だというのは理解できます。
けれど、画一的に「成長、成長」と繰り返されるのを耳にすると、どうしても違和感を覚えるのです。

そもそも「永遠の経済成長」なんて本当に可能なのでしょうか。
地球には限りある資源しかなく、いつかは必ず枯渇に向かいます。
それなのに、誰もが当然のように「成長」を前提に語っている。

私にはそれが、資本主義社会における一種のタブーのように感じられます。
「成長には限界がある」と口にすること自体、許されない世界。
本当は気づいている人もいれば、違和感を覚える程度の人もいるし、まったく疑問に思わない人もいるでしょう。

私は今回の総裁選をきっかけに、そのタブーについて改めて考えさせられました。

経済成長=資源の奪い合い

私が経済成長に限界を感じる理由はシンプルです。
経済成長の本質は「資源をどこかに集めること」だからです。

ある国が豊かになるというのは、突き詰めれば、エネルギー・鉱物・食料といった資源を効率よく確保し、消費し、利益へと変えているということです。
つまり、成長する国が増えれば増えるほど、地球規模での資源の消費スピードは加速していきます。

かつては先進国だけが大量に資源を集めていました。
しかし今は中国やインドをはじめとする人口大国が同じ道を歩んでいます。
その結果、世界全体で爆発的な資源の奪い合いが進んでいるのです。

ここでふと思い出すのが、私の高校時代です。
当時はとにかく尾崎豊ばかり聴いていました。
反抗や葛藤を歌う尾崎の歌詞は、思春期の自分に強烈に刺さったのを覚えています。

その中に奪い合いのロックンロール」というフレーズがあります。
若い頃は社会への怒りや苛立ちを込めた歌詞だと受け止めていましたが、今になって読み返すと、まさに現代の国際社会の姿と重なって見えるのです。
各国がいかに自国に資源を引き寄せるかを競い合い、政治も外交も軍事も、その前提の上で動いている。

こう考えると、「経済成長を目指す」という言葉の裏には、
「他国より先に資源をかき集める」という現実が隠れているのは明らかです。

循環型社会と宇宙資源

では、資源の奪い合いが進んだ先に何が待っているのでしょうか。
よく耳にするのは「循環型社会」「リサイクル技術の進化」といった希望です。
確かに技術が進めば、資源の再利用効率は上がるでしょう。

けれど、私はそこに限界も感じています。
リサイクルには必ずエネルギーが必要で、すべての資源を完全に循環させることは不可能です。
「循環で経済成長を維持する」には、あまりに現実味が薄いのではないか──。

そうなると次の答えは「宇宙」に向かいます。
月や火星、小惑星から資源を採掘する未来像はすでに描かれています。
技術的にも研究は進んでいますし、実現の可能性はゼロではありません。

その構想の背景にあるのは「成長を続けないと死んでしまう」という生存本能。
「奪い合いのロックンロール」は宇宙まで広がる。
資源が拡張されても、争いの構図は変わらない。

人類の挑戦としての奪い合い

とはいえ、トップが「経済成長」を唱えるのは仕方のないことです。
そうしなければ他国に食われてしまう。
結局のところ、世界の中で生き残るためには「奪い合いまくってトップに立つ」以外に答えがありません。

その戦いの果てに待っているのは、きっと宇宙進出です。
月や火星、小惑星の資源を求めて人類は外に飛び出し、そこでまた新たな「奪い合い」が始まるでしょう。
その奪い合いの先に何が待っているのか…誰にも予測できません。

ただひとつ言えるのは、これは単なる国の利益争いではなく、
人類という種の保存をかけた挑戦でもあるということです。

「奪い合いのロックンロール」の行きつく先とは。現実から目を背けずに、人類の可能性を信じたいと思います。〆

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました