Tommy Emmanuel Guitar Method – Episode 2

「Tommy Emmanuel Guitar Method – Episode 2」の解説です。

“Freight Train”の練習やコードの探し方についてTommy Emmanuel(トミーエマニュエル)が話をしています。

ステップ1:”Freight Train”の練習

フィンガースタイルギターの曲を学ぶ準備が出来たら、私はいつも”Freight Train”を教えます。この曲は素晴らしくて、私はChet Atkinsが演奏するのを聴いたのが始めだと思います。彼はEのキーで弾いていたと思います(演奏)。しかし、大体の人はこの曲をElizabeth Cottenが演奏・歌唱したCのキーで学ぶと思います。Freight Trainを選ぶ理由は、メロディがコード音で構成されており、フレットの移動が少ないためです。それでは、この曲を演奏するために、メロディを見つけてみましょう(演奏)。C→G→G→C→E→F→C→G7/C[1]1小節1コードで記載。「/」は1小節内でコードが変わる場合。です。メロディが見つかったら、コードと一緒に弾いてみましょう(演奏)。E7のときは少しブルージーにするためにハンマリングしています。そしてハンマリングしたその指を押さえつけ( てFのメロディを弾き)ます。…これがメロディの弾き方です。次はメロディとベースを同時に演奏するのに慣れる必要があります(演奏)。…私は小さく区切って練習することをお勧めします。まずは第1パートを繰り返し練習し、それができるようになったら第2パートの練習、それができたら第1パートと第2パートを繋げて練習、それができたら次のパート、というように曲を通して弾けるようになるためには、パートを区切って練習して、それを繋げて完成させるのが良いです。十分な練習ができると、手の動かし方について考える必要がなくなり、音楽として聴けるようになるでしょう。その瞬間が素晴らしいのです。私たちはその瞬間のために生きているのです。

ステップ2:”Freight Train”の応用

それでは次に、”Freight Train”を更に楽しむための方法についてです。曲の基本を身につけたら、試しにコードを変えてみましょう。こんな感じです(演奏)。 C→G→Dm/G→C→E→Am on G/F/F#dim→C→G7/Cです。終わりにChet Atkinsのちょっとしたリフを入れたり。こんな感じで変化をつけることができます(演奏)。好きなように変えられるのです。私が初めて”Freight Train”を弾いたときはCのキーだったと思いますが、次に弾いたのはChetが弾いていたEのキーでした(演奏)。これは“Mother” Maybelle Carterの弾き方です(演奏)。もっとクリエイティブな感じにしたければ、こんな終わり方もできます。

バンジョーみたいな弾き方もできます(演奏)。メロディを親指で弾いて、人差し指・中指・薬指で弦をかき鳴らしています(演奏)。この奏法は”Waltzing Matilda”でも使っていて、2回目の繰り返しに入るときにこの奏法を入れています。”Waltzing Matilda”もフィンガースタイルを学ぶためには素晴らしい曲です(演奏)。Maybelle Carter奏法を終わりに入れました。これが”Waltzing Matilda”のフィンガースタイルです。このスタイルは、Chet AtkinsとMerle Travisのスタイルから来ています。私は少しコードを変えているだけです。サビのこの部分のコードはChetのアイデアだったと思います。多くの人はここでディミニッシュコードを使います。Chetの場合はFM7です[2]左手の動きが難しいため、多くの人はFM7を使わなかったと思われる。ディミニッシュコードの方が、響きとしては不安定感が強いが、”Waltzing … Continue reading。その他のChetの良いアイデアとして、曲の終わり方があります(演奏)。B♭を使います。この押さえ方はMerle Travisがよく使った形です。親指で6弦と5弦を、人差し指で第3弦、2弦、1弦を押さえます。B♭9thですね[3]口頭では省略しているが、正確にはB♭7(9,13)onF

その他:コードについて

どんなギタリストからも学ぶところはあると思いますが、あるジャズギタリストが教えてくれました。ある日、彼は私に「コードは数学である」と云いました。キーがAの場合、1(A), 2(B), 3(C#), 4(D), 5(E), 6(F#), 7(G), 8(A), 9(B)です。♭9にしたい場合はB♭です。7thにして、6th=13thにして、♭9thを加えればこうです。すべては数学です。

A7(♭9, 13)

あなたもコードを探すことができます。例えば、#5thを探したければこんな感じです。

Aaug

すると、#5thに7thを加えればオーギュメントコードになることに気づきます[4]正確にはaug7コード。7thの音を加えなくても既にaugコードになっている

Aaug7

このような感じで学ぶことができます。m7♭5はハーフディミニッシュと呼ばれることもあります。このことを知ったのは、私がある日、ある歌手とリハーサルをしていたとき、φの記号を見て「これはどんな意味ですか?」と尋ねました。彼はm7♭5と答えました。そのとき、ピアノ奏者が「ハーフディミニッシュのことだよ」と教えてくれました。私は耳で聴いて判別しているだけだったので、名前がわからなかったのです。手の形を探るとき、私はTed Greeneの”chord chemistry”という本で勉強しました。この本には膨大な情報が記されています。あるコードから次のコードへの移動方法が多く示されており、とても興味深いです。Frank Sinatraの”Watch What Happens”を学んでいたときのことを覚えていますが、E♭M7のコードをこのように押さえて、形はそのままでGのコードまで上がって行きます。

E♭M7~GM7

そしてE♭のコードまで戻ってきますが、Ted Greeneは半音ずつ上がっていくこの方法の代わりに、サイクル・オブ・フィフスのような感じで、このようにしました。E♭M7→EonD→A7onC#→Daug7(#9)→GM7です。

E♭M7
EonD
A7onC#
Daug7(#9)
GM7

GM7は小指で4本の弦を押さえます。これがTed Greeneです。とても素晴らしいと思います。このような人が現れて、より良い方法や考え方に光を当てるのです。私はとてもラッキーで、若い頃から色々な人に囲まれていました。特にピアノ奏者は違う物の見方をしていました。私たちは自分のフィルターを通して物事を見るものですよね。成長するにつれて学んでいきますが、心を広く持ち、自分のフィルターを取り除き、チャンネルを開いて、できるだけ多くの情報を取り入れることが大切です。そして、いつでも違った角度から物事を見ることができれば、それが成長だと思っています。とても素晴らしいジャズピアノ奏者と演奏した時のことを覚えていますが、その日は昨晩と同じ曲をキーを変えて演奏することになりました。彼らはそれが難しいことを知っていて初めのソロを私が弾くように云いました。しかし、それは私にとって良いことでした。とても怖くて、自分がどこを弾いているかわからなくなったり、恐る恐るの演奏になったりしましたが、泳ぎ続けていれば、海岸まで辿り着けるのです。だから私は進み続けることにしているのです。たとえ失敗しても、進み続けるのです。〆

References

References
1 1小節1コードで記載。「/」は1小節内でコードが変わる場合。
2 左手の動きが難しいため、多くの人はFM7を使わなかったと思われる。ディミニッシュコードの方が、響きとしては不安定感が強いが、”Waltzing Matilda”の前向きな力強さを表現するためにはFM7の響きの方が良かったのかもしれない
3 口頭では省略しているが、正確にはB♭7(9,13)onF
4 正確にはaug7コード。7thの音を加えなくても既にaugコードになっている

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