泉田良輔「テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図」を読む

泉田良輔氏の2018年の著書「テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図」を読みました

本書はタイトルのとおり、テクノロジーによって産業はどのように変わっていくのか?について書かれた本です

ただ「AIに仕事が奪われる!」と煽るような本ではなく、客観データ(就業者数の変化等)に基づいて今後の産業変化の仮説を解説してくれる良書です

例えば、以下のようなデータが示されます

  • 医療/福祉の就業者数は2008年と比べて200万人程度増加した
  • 飲食サービス業の就業者数は2008年と比べて40万人程度増加した
  • 就業者数が多い産業の上位3位は製造業(1081万人)、卸売/小売業(1053万人)、医療/福祉(799万人)

これらのデータから以下のような仮説が導かれます

  • 医療/福祉、飲食サービス業の就業者数が不足しているので、この分野にA/Iや自動化が積極的に取り入れられるのはウエルカム
  • 逆に製造業や卸売/小売業のような就業者数が多い分野で、A/Iや自動化が急速に取り入れられると失業者が溢れ社会不安となる

当然と云えば当然の考察なのですが、このように丁寧にデータを示しながら解説してくれるところが本書の良いところです

「AIに仕事が奪われる!」と昨今叫ばれていますが、実際は人口(若者)が減って人手不足の産業もあるわけで、もう少し冷静に考えてみる必要がありそうです

本書は平易な文書で書かれているので、例えば就職活動を控えた学生等にもおすすめの本です〆

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