今野真二「漢字とカタカナとひらがな」を読む

そういえば、カタカナとひらがなって何だっけ…

という一見簡単なようで実は深遠な問いが頭に浮かんだので、今野真二氏の著書「漢字とカタカナとひらがな 日本語表記の歴史」を読みました

終始「古事記は完全なかたちではヨメない。しかし、訓で書いてあるからには、よめる。すなはち、ヨメなくてもよめる」みたいな書き方のため、主張したいことが整理されているとは言い難い印象の本書でしたが、日本語の歴史や考え方について学べる内容であったとは思います

片仮名と平仮名の成り立ち

平仮名は漢字全体を変形させたもの、片仮名は漢字の部分を採ったものである。以上。

とまぁ、一言で片付けてしまえばこうなるわけですが、何でそうなったのかの見解も提示されていて面白かったです

もともと漢字は中国から輸入したものであり、はじめは漢文しかありませんでした

そのうち、漢文を訓読するために訓点(返り点符号、振り仮名、送り仮名などの総称)を漢字の傍らに書き込むようになるわけですが、漢字の傍らには限られたスペースしかない場合が多いので、小さな隙間でも書きやすいように漢字の一部を省略して書くようになった、とういう説です

確かに例えば振り仮名まで漢字だと読みづらいよな、と思いました

日本語には正書法がない

日本語には正書法がないというのは大きな特徴らしいです

正書法とは読んで字のごとく正しい書き方のことです

具体的には、例えば以下の文章の書き方で正解はどれでしょうか?

  1. 花が咲いた
  2. 華が咲いた
  3. ハナが咲いた
  4. はながさいた
  5. ハなガさイた

1〜4までなら「別にどれでもいいんじゃない?」って感じがします

つまり、これといった正解はありません

思いつきで書きましたが、流石に5はやりすぎだとは思いますが…(このように書く人はまずはいない)

康煕字典の一覧

日本では2,136字の常用漢字が定められています

じゃあその常用漢字の元ネタは何なんだという疑問がわきますが、基本的には康煕字典(こうきじてん)となります

康煕字典は1716年に完成した中国の字典で収録字数はなんと47,035字!

常用漢字の20倍以上のボリュームです

恐るべき本場の漢字宇宙の世界です

で、気になったので康煕字典の一覧って見れないかなと検索してみたのですが、そういうデータはWeb上には落ちていない模様

以下のサイトは常用漢字と康煕字典の関係のイメージがわかりやすいかなと思いました

常用漢字表 - CyberLibrarian

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