鎌田浩毅「首都直下地震と南海トラフ」を読む

2022年5月現在、最近地震が多くてとても不安です

tenki.jpで調べてみたところ、2022年に入って日本では震度4以上の地震が24回発生しているようです

また、2019年~2021年の5月9日までの震度4以上の実績も調べてみたところ、それぞれ16回、19回、23回となっており、2022年だけが特別地震が多いというわけではなさそうですが、それでもだんだん増加しているのが不気味です

そんなわけで、鎌田浩毅氏の著書「首都直下地震と南海トラフ」を読みました

鎌田浩毅氏は京都大学名誉教授の地球科学者だそうです

本書を読んで、日本に住んでいる限り地震や火山の恐怖からは逃れられないことがわかったので、「それじゃあ海外逃亡するしかないじゃないか」と思いましたが、そんなことは日本人全員ができる話ではないので、やっぱりリスクを受け入れて、覚悟を決めて、今できる備えをしっかりとやっていくことしかないのではないかと思いました

本書の感想

地震発生後の猶予時間

本書を読んでいて思ったのが「地震発生後に警報が鳴って実際に揺れ始めるまでどのくらいの猶予時間があるのだろう」ということでした

その答えは直下型(内陸型)地震と南海トラフ地震で異なります

直下型(内陸型)の地震の場合、自分の足元の断層がズレる可能性が捨てられないので、猶予時間ゼロと思ったほうがよさそうです

揺れ始めた瞬間にとっさに机の下に隠れたり、窓から離れたりするのがせいぜいできることでしょう

一方、南海トラフの場合は、震源が太平洋側の南海トラフなので、地震発生から日本列島が揺れ始めるまでは時間的猶予が若干ありそうです

P波とS波

じゃあ南海トラフの場合はどのくらいの猶予時間があるのかということなのですが、ネットで調べてみたところ、すぐには答えにたどり着けませんでした

おそらく日本列島の場所や岩盤の状況等が関係するので計算が難しいのだと思います

なので参考になるかわからないのですが、P波とS波で自分で概算してみることにしました

確か中学校の理科の教科書にも出ていたと思う皆さんご存じのP(Primary)波とS(Secondary)波

本書によるとP波は7km/s、S波は4km/sだそうです

例えば、Googleマップ上で南海トラフと大坂城間の直線距離を測ってみると約284kmとなります

そのため、南海トラフ地震発生から大坂城が揺れ始めるのは、P波による揺れが284÷7=約40秒後、S波による揺れが284÷4=約71秒後となります

P波とS波の到達時間の差は初期微動継続時間とも言われますが、その差は71-40=31秒です

P波は縦波、S波は横波とも言われますから、P波到達による突き上げるような縦揺れが始まってから、31秒後にS波到達による大きな横揺れ(その間はガタガタという初期微動)が始まると予想できます

その30秒の間に一体何ができるのかということですが、30秒あればガスを消したり、扉を開けたり(閉じ込め防止)、ヘルメットを被ったりはできそうです

ただ安全な場所に避難するのは、既に初期微動が始まっているので難しいのかなとも思いました

地球は温暖化していない?

以下はその他の感想ですが、本書では長尺の目という表現が度々できています

長尺の目とは即ち地球規模のタイムスパンのものの見方をするということです

長尺の目で考えると、人間の感覚とは合わない部分が出てきます

例えば、地球温暖化の問題です

人間の目で考えると、最近熱くなっているので温暖化している!と言いたくなるのですが、長尺の目で考えるとむしろ地球は氷河期に向かっている確率の方が高そうとのことです

また、二酸化炭素の排出量増加の問題にしても、増えた二酸化炭素は海中に溶け込む地球のある種のバッファシステムがあるため、直線的にあ大気中の二酸化炭素濃度は増えないという話もあり、この辺りは注意深く観察・考察しないとわからないようです

地球温暖化は政治的問題という話は度々耳にしますが、この件についてももう少し詳しく勉強してみたいなと思いました〆

コメント

タイトルとURLをコピーしました