「普通のおじさんに見えるけど、実はスターバックスのCEOとかやっていたんです」の岩田松雄氏の著書「「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方」を読みました
「普通のおじさんでも社長ができるなら、ひょっとしたら僕/私にも…」なんて思ってしまいそうな掴みから始まる本書ですが、そんな甘い話ではないことをここで先に断っておきます
岩田さんは決して普通のおじさんではなく、かなり意識高い系のおじさんです(当たり前ですが)
本書の感想
普通のおじさんに見えるけど…
「リーダーと言えばカリスマ的な雰囲気を持っている」という世間的な印象に対して、岩田さんは「僕は普通のおじさんです」と言っています
「カリスマでなくても頑張れば皆、リーダーになれる」が岩田さんの正しいメッセージです
なので「平均的な能力のおじさん」がリーダーになれると勘違いをしてはいけない
岩田さんは自分の経歴は華やかではないと書かれていますが、これは謙遜が入っていて、本書を読めばわかりますが、平均的なおじさんのそれではありません
例えば、学生時代の野球の話
平均的なおじさんなら「学生時代になんか野球やっていたな、あまりぱっとしない成績だったけど」となる気がしますが、岩田さんは以下のように継続的な努力による成功体験をしっかりと積んでいます
- 高校時代:ずっとベンチだったが、最後はキャプテンに抜擢されて四番バッター
- 大学時代:憧れのピッチャーに挑戦、鳴かず飛ばずの成績だったが、練習(夏場の1000本ダッシュ、練習後に必ず5キロ走る等)をひたむきに続けた結果、大学時代の最終戦で完投・勝ち投手
このような体験はなかなか皆が経験できるものではありません
コツコツと継続的な努力(自分を修める)ことの大切さを伝えるエピソードです
理想のリーダー像
岩田さん曰く「理想のリーダー像は、周りから推されてリーダになる」だそうです
これも「俺についてこい!」のリーダー像とは少し違いますね
ソニーの平井一夫さんも「選挙をしたら部下たちは自分に1票入れてくれるか?」を常に自問していると著書「ソニー再生」で語っていましたが、「皆にリーダーになってほしいと思ってもらえる人間になる」という点が共通しているのかなと感じました
いつも誰かに見られている
いつも誰かに(あるいは神様やお天道様に)見られているという感覚を持つことは大事だと説かれています
その意識が裏表のない、信頼に足る人物を作るのだと
実際、社長になると会社の中を歩けばみんなに見られる状態になるわけで「考え事をしながらトイレに行った」だけで「社長が元気がなかった、この会社やばいかも」という噂が立ったというようなエピソードが紹介されていました
社長って大変だな、でもだから圧倒的に磨かれるのだろうなと、思いました
お客様より社員の方が大事
この「お客様より社員の方が大事」という話も印象に残りました
文脈としては、クレーマー的なお客一人のために社員が疲弊するのはおかしい、会社としてはそんな客より社員の方が100倍大事なのだから、その客にはさっさと帰ってもらえ、みたいな話です
こんなこと言われたら担当者は「社長!一生ついて行きます!」みたいな気持ちになりそうですね
こういうのも「みんなから推されるリーダー像」のひとつなのかなと思いました
傲慢な若者でした
岩田さんは昔、仕事ができない人を見ると「どうして・なぜ」と思ってイライラしていたそうです
自分を「傲慢な若者であった」と評する岩田さんです
しかし、海外留学の際にノイローゼになりかけた経験から「自分だって弱いところがあるのに、どうして人に対して厳しくできるのか」と自問するようになったそうです
長期的に健康を損なうと人生観が変わるというのは同感です
このような経験も人間力の一助になっているのだと思いました〆
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