芝本秀徳「最初に読むプロジェクトを成功させる技術」を読む

芝本秀徳氏の著書リーダーになったら最初に読むプロジェクトを成功させる技術!を読みました

本書はプロジェクト初心者向けの本で、運営の助けになるツールを多く紹介しているのが特徴です

また、漫画と文章をおりまぜているのでとても読みやすいです

本書の感想

最近はいろいろなプロジェクト運営に関する本を読んでいるので、さすがに「これ知ってる」という記述も増えてきました

そんな中でも印象に残った点をいくつか紹介します

結局は不確実性との戦い

やっぱりプロジェクト成功の秘訣は、「意思決定を迅速に行い、不確実性を減らすことに力を注ぐ」に尽きます

本書では以下のような式が登場します

独自性×有期性=不確実性

翻訳すると、「やったことがない」ことから発生する不確実性と、「期限までにできるか?」の不確実性の掛け算との戦いということでしょうか

とにかく、この不確実性を放置して時間だけが過ぎていくのがプロジェクトにとっての最大のリスクだと感じました

特に以下のパターンで意思決定がずるずる遅れるのはありがちなので気を付けたいです

  • 客先が決めてくれない
  • 上司が忙しくて捕まらない

カーナビに例えてみよう

本書の著者はプロジェクト・リーダーはカーナビのようなものという捉え方をしばしばしているようです

例えば、カーナビが以下のようなことを云ってきたら、みなさんはどう思うでしょうか?

  • さっきの交差点は右でした
  • 予定より遅れています。急いでください

みなさん「使えないカーナビ!」と思うことでしょう

しかし、プロジェクト・リーダーになると、この無能なカーナビ的なことを云ってしまいがちなので注意が必要です

例えば、「なぜそんなことをしたんだ!」とか、「時間がないからとにかく急げ!」とか

カーナビなら道を間違えても、目的地にたどり着くための別の道をすぐに示してくれます

プロジェクト・リーダーも同じで常に目的を達成するための道を示し続けるのが仕事です

別の云い方をすれば、結果を生み出すまでのプロセスを常に考えるということです

ツールは知っていることに越したことはない

本書は社会人4年目の可愛い女性が主人公なのですが、強面の上司がプロジェクトの運営方法についていろいろ説明したかと思ったら「ほっ、なんとかプロジェクトが完遂できた」といっていきなり終わり、少し面喰いました

印象としては、レストランに行ったら前菜の次にデザートが出てきた感じです

プロジェクトの醍醐味というか、難しさの部分(料理でいうメインディッシュの部分)はほとんど触れられないので注意が必要です

当たり前ですが、プロジェクトは勉強したり、ツールを活用したりしたからといって上手くいくほど簡単なものではありません

紹介されているツールをすべて現場で使いこなすのは、不確実性の高さや時間のなさから実際は不可能に近く、適宜活用できるタイミングで上手く使っていくしかないと思います

「ツールを知ったからといって、プロジェクトが上手くいくわけではない」ということは肝に銘じておいた方が良いです

とは云いつつも、ツールは知っていることに越したことはないので、特にプロジェクト初心者の方は本書を読んでみても良いかもしれません

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