山田真哉氏の著書「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学」を読みました
2005年出版の本書、当時ヒットしていた記憶はあるのですが、読みそびれていました
確かに「さおだけ屋って儲かりそうにないのによく潰れないよな」って思いますよね
本書の感想
なぜ潰れないのかシリーズ
本書は7個の具体的なエピソードを通して会計学についての知識を深めることを目的としています
エピソードの中でも「なぜ潰れないのか?」の話が興味深かったので以下にまとめてみたいと思います
さおだけ屋
会計的には、お店が潰れない理由は以下のふたつしかありません
- 売上が高い
- 費用が低い
さおだけ屋の場合、おそらく「費用が低い」というのが答えです
さおだけ屋は通常、本業が金物屋やホームセンターで、さおだけ屋は副業として営んでいるケースが多いようです
つまり、副業で使用している人件費も車もガソリン代もさおだけも本業側の経費で賄われているはずとのこと
なので、さおだけが売れなくたって別に経費が掛かっているわけではないので、潰れないというカラクリです
ベッドタウンの高級フランス料理店
ベッドタウンに位置するある高級フランス店
そんなにお客がそんなに入っているように見えるけどなぜ潰れないの?という話です
種明かしをすると、副業でフランス料理・ワイン教室を開催しているからです
こちらも本業のフランス料理店の場所を利用するので、副業の経費が大きく抑えられます
それに加えて、教室の生徒は本業のお客さんにもなりやすいので一石二鳥です
このように本業と副業が繋がった経営は、企業の連結経営と同じ考え方です
在庫だらけの自然食品店
在庫を山と抱えたとある自然食品店、そんなに在庫を抱えていてなぜ潰れないの?という話です
答えはネット販売による宅配が本業のため
どちらかと云うと、在庫置き場の方をせっかくだから店舗販売も可能なようにお店の形にしているようです
この話も本業/副業のカラクリの話ですね
手形と掛(かけ)
手形と掛(かけ)って何?と聞かれて5秒で答えられるでしょうか?
なんか分かりにくい言葉だなぁ、と常々思っていましたが、本書にわかりやすい説明が書いてありました
- 手形:支払い期限を延長するもの
- 掛:売り上げてから代金を回収するまでの状態
なるほど、手形って支払い期限を延長するために使用するんですね
決算書の読み方
決算書を読む、と云ってもすべての数字を細かく読むのは大変なのでポイントを押さえましょうという話です
- 去年の数字と見比べること
- 同業他社の数字と見比べること
- ある特定の数字を定期的にチェックすること
特に3番目の「特定の数字」は決算書の読む目的によって変わります
例えば以下のような感じです
- 本業の状態を知りたい⇒営業利益
- 経営手腕を知りたい⇒経常利益
- 配当が気になる⇒当期純利益
〆
コメント