いつもお世話になっているイオン
特にイオンモールは家族連れには重宝する施設なのではないでしょうか
そんなみんな大好きイオンの2019年度の決算書を見ていきたいと思います
なお、決算情報はすべてイオンホームベージで公開されているものを使用します
2019年度イオン株式会社の決算書
経営状態は良さそう
営業利益は2155億円、経常利益は2058億円です
どちらも黒字なので経営状態は良さそうです
また、1株あたりの純資産は1,264円です
2020年5月現在の株価が2,100円くらいなので、株価を「企業の現在価値+将来への期待値」と捉えると、800円分くらいが将来の期待分ということになります
要するに、株主も概ね「イオンの成長は続く」と思っているということですね
セグメント別に見てみよう
イオンは多角的に事業を経営しているので、各事業のセグメント別で売上を見てみましょう
No. | 事業 | 営業収益(百万円) | 営業利益(百万円) | 従業員数(名) |
1 | GMS | 3,070,521 | 7,223 | 31,974 |
2 | SM | 3,224,363 | 21,507 | 28,526 |
3 | ヘルス&ウエルネス | 883,220 | 35,029 | 10,412 |
4 | 総合金融 | 484,719 | 70,464 | 19,936 |
5 | ディベロッパー | 371,926 | 63,279 | 3,835 |
6 | サービス・専門店 | 739,599 | 5,124 | 30,640 |
7 | 国際 | 439,202 | 10,386 | 31,716 |
8 | その他 | 52,623 | 1,789 | 709 |
バブルチャートにすると以下のような感じです(バブルの大きさは従業員数)
イオンの本業は金融?
普段イオンで買い物している身からすると、イオンといえばスーパーマーケットが本業という気がするのですが実態は違うようです
スーパーマーケットに関する事業は上記の事業名で云うとGMS事業とSM事業なのですが、全体に占める利益で考えるとその割合は小さいです
また、営業収益に占める営業利益の割合もGMS事業は0.2%、SM事業は0.6%でかなり薄利なイメージです
一方、断トツの営業利益を上げているのが総合金融とディベロッパー事業です
しかも、営業収益に占める営業利益の割合は総合金融が14%、ディベロッパーが17%とかなり効率的に稼げる事業のように見えます
総合金融事業の中身は、クレジットカード事業や銀行業です
金融事業の売上の内訳は不明ですが、金融といえば通常は貸付の金利で儲けるビジネスなので、貸付金利がメインの売上と予想されます
ディベロッパー事業のメインの売上は、イオンモール等のテナント収入だと思われます
ディベロッパー事業は少ない従業員で高い利益を上げていることもポイントです
イオンのビジネスモデル
数値だけ見ていると、薄利のスーパーマーケット事業は将来的に縮小していきそうに思えます
ただもう少し視野を広げると、スーパーマーケット事業は金融業にユーザーを取り込むための撒き餌になっているのではと考えられます
つまり「イオン銀行・クレジットカードを使ってイオンでお買い物するとお得ですよ」と宣伝して、買い物ユーザを金融ユーザに取り込んでいくという戦略です
確かにスーパーマーケット事業は膨大な数のユーザにリーチできる事業なので、金融業との相性が良いように思えます
金融業が稼ぎ頭になっている理由には、このような背景があるのかもしれません
おわりに
本記事では2019年度のイオンの決算書について確認しました
スーパーマーケットのイメージが強いイオンですが、実は金融業で稼ぐ企業であることがわかりました
また、小売業×金融業という戦略も見えてきました
今後のイオンの動向、特に小売業がどうなっていくのかは注目だと思います〆
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