島袋直樹氏の著「会社は伸びているときに売りなさい。」を読みました
いわゆるEXIT戦略(出口戦略)の本です
EXIT戦略とは、事業を立ち上げたらどこを目指すの?ということです
目指す先(行き着く先)は次の3つしかありません
- IPO(新規上場、Initial Public Offering)
- 継承(後継者への事業継承、M&Aによる事業売却)
- 廃業
そして本書ではEXIT戦略の継承(M&A: Mergers and Acquisitions)について主に述べられています
本書の感想
M&Aを目指して新規事業を立ち上げるのが現実的
本書では「M&Aを目指して新規事業を立ち上げるのが現実的」という立場です
日本の事業者はIPOを目指しがちですが、IPOというのは年間数万社の新規事業が立ち上がったうち100社くらいしか達成できない狭き門とのこと
IPOはハードルが高いのでM&Aで行きましょうという感じです
なぜM&Aする必要がある?
本書がM&Aを進める理由は以下のようなものがあります
- 環境の変化が激しい今の時代、同じ事業で成長戦略を描き続けるのは難しい
- 経営者にも得意/不得意な経営フェーズがある
- タイムリッチ&マネーリッチになれる
同じ事業で成長戦略を描き続けるのは難しい
成長性のない事業はそもそもM&Aできないじゃないか、と思いましたが、これはどちらかと云うと、小さい会社では市場規模の限界がすぐ見えてしまうので、大きな企業に買収してもらうことで、その事業を大きく羽ばたかせるという意味合いが強いのかなと感じました
経営者にも得意/不得意な経営フェーズがある
「経営は駅伝に似ている」ということで、事業には立ち上げ・成長拡大・現状維持というフェーズがあり、経営者もそのフェーズごとに向き不向きがあるとのこと
例えば、事業の立ち上げが得意な経営者なら、そのフェーズが終われば早々にそのタスキを次の成長拡大が得意な経営者に渡す方がハッピーということです
タイムリッチ&マネーリッチになれる
これは単純に多額のキャッシュが手に入るので、しばらくゆっくりできますよ、ということです
ゆっくり過ごしながら、次の事業の構想でも立てましょう
売れる企業の特徴
M&Aにより事業を売却するためには、以下の条件は整えておいたほうが良いようです
- 言語化
- 仕組み化
- 見える化
要するに、人が変わっても事業が継続できるということです
おわりに
本書を読んでいて「人には向き不向きがあるから、得意な分野で頑張りましょう」という精神を感じました
事業者向けに執筆された本ですが、M&Aの概要を知ることができるので一般の人にもおすすめです〆
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