岸見一郎、古賀史健共著「幸せになる勇気」のAudible(オーディオブック)版を聴きました
前回紹介した「嫌われる勇気」の続編になります
前回の哲人との対話でアドラー心理学について理解を深めた青年が、「現実世界でアドラー心理学を実践してみたけど、全然上手くいかねぇじゃねぇか!」と哲人の書斎に殴りこみに行く内容です
今回は主にアドラー心理学における「自立」と「愛」について語られます
以下、本書を読んだ(聴いた)感想と解釈です
本の感想と解釈
やっぱりAudible版がおすすめ
前回に引き続き、今回も哲人と青年の対話形式で話が進んでいくので、オーディオブックとの親和性がとても高いです
前書のおさらい部分も多い
前書「嫌われる勇気」で語られた内容のおさらい部分も多く含まれています
ですので、前書を読まずにいきなり本書を読んでも一応理解できると思います
ただ本書の方がより高度な内容を扱っているので、前書を読了しておいたほうが理解はスムーズになるとは思います
教育の目的は自立の支援
そもそもアドラー心理学では以下のような行動面の目標を掲げています
- 自立すること
- 社会と調和して暮らせること
そして、教育の目的は自立の支援となります
教育というと、勉強を教える、社会ルールを教える等の「教える」に着目しがちですが、教育者は常に「これは自立を支援する結果になっているか?」を念頭に置く必要があるということでしょう
自立とは自己中心性からの脱却である
そもそも自立とはなにか?
ということですが、自立とは自己中心性からの脱却、だそうです
もっとわかりやすく表現すると、愛されるライフスタイルから愛するライフスタイルに切り替えること、です
普通、自立というと経済面を指すことが多い気がしますが、この生き方に着目した定義は面白いです
この定義からすると、愛する人がいなければ自立していない、となってしまいます
「自立を果たすために、人を愛せ!」という強烈なメッセージ
アドラー心理学の、この徹底して人と向き合わせる姿勢に厳しさを感じます
愛とは自立である
上記の自立の説明が愛の説明にもなっていましたが、愛とは自立である、となります
この言葉をいきなり聞くと「?」となりますが、自立が「自己中心性からの脱却」であることを踏まえると納得のいく定義です
また、別の表現を借りると、愛とは人生の主語を「私」から「私たち」に切り替えること、とも書かれています
「私」から「私たち」へ、そして最終的には「みんな」へと主語を切り替えていくことで、自己に内在する共同体感覚を掘り起こし調和した社会を実現する、という文脈であると理解しました
ただ、書くのは易し、行うは難しの考え方です
おわりに
前書の「嫌われる勇気」では、アドラー心理学の全体像が語られました
一方、今回の「幸せになる勇気」では、アドラー心理学を現実世界で実践することの難しさについて語られているように感じました
前書の「嫌われる勇気」でアドラー心理学に興味を持たれた方は、本書でアドラー心理学の厳しさを知るのも良いのではないかと思いました〆
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