ドキュメンタリー「インフィニティ:無限を旅する」を観る

1から順番に数を数える。どこまで行けるかやってみる。子供の頃、誰しも一度は挑戦してみたことがあるだろう。

イチ、ニー、サン、シー、…

まだまだ余裕である。

ヒャクイチ、ヒャクニ、ヒャクサン、ヒャクヨン、…

そろそろきつくなってきた。

ゴヒャクサンジュウイチ、ゴヒャクサンジュウニ、ゴヒャクサンジュウサン、ゴヒャクサンジュウヨン、…

もう飽きた、やめよう。

だいたいこんな感じではないだろうか。どこまで数えることができるかで、その子の忍耐力の強さがある程度測れる気もするが、「俺は最後まで思う存分カウントアップできたぜ!」という人は少数派であるだろう。

ドキュメンタリー「インフィニティ:無限を旅する」は、無限についての数学者や物理学者の感想を集めたような作品であり、特に結論のようなものはない。無限って不思議だよね、無限って面白いよね、という段階で終わっている。ただ個人的には結論めいた考えが頭に思い浮かんだ。それは「無限とは、現実と空想を隔てる壁である」というものだ。

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Eminent mathematicians, particle physicists and cosmologists dive into infinity and its mind-bending implications for th...

おそらく、無限は現実には存在しない。無限は数式上、理念上、形而上の世界のみに存在する。実在しない無限という現象を、現実世界に当てはめて考えようとするから、頭がパニクるのだ。

実際に無限という考え方を実社会に適用して上手く行っている例は数多くある。数式のlimit計算の変数を∞に飛ばして得られた計算結果は現実社会で問題なく機能する。しかし、これは数式上では実際に無限大であるが、現実世界では人間が「無限大と感じるところ」までであり、「本当の無限大」には到達していない。

現実世界で無限大を追い求めると、現実と空想を隔てる突破できない壁にぶち当たる。空想は無限大とよく言われるが、空想は無限大が存在する世界でもあるわけだ。〆

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