巷でやたらと評価が高い映画「セッション」を観ました
音楽をテーマにした映画ということでワクワクしながら視聴したわけですが、鑑賞後の感想は「うん、これは音楽の映画ではないな」というものでした
これは狂気と錯乱の映画です
【映画:セッション】狂気と怪演の世界観。端的に言うと意味不明。それでも鑑賞後の緊張感からの解放はたまらない。ジャズドラム映画だが音楽自体に焦点はない。素人はバディ・リッチの演奏でも観たほうがジャズドラムの凄さがわかりやすい。作中ではこの演奏を目指している。https://t.co/HRbAMYRwaG
— Keiya | 強くなりたい (@2R8R9) August 22, 2022
え?メトロ使わないんですか?
鬼コーチの狂気に毒されるジャズドラマーの生徒
鬼コーチがやたらと生徒にテンポのダメ出しをします
「違う(バコッ(暴力))!テンポ200だ!違う(ガシャーン(椅子投げる))!!テンポ200だっつてんだろ!!」
こんな雰囲気で永遠と映画が進みますが、けいやの心に去来した感想は「え?メトロ使わないんですか?」でした
Tommy Emmanuel研究家で散々Tommyのコピー(つまりギター)をやってきたけいやですが、実は10年弱ドラムレッスンを受けていたこともあります(これもTommyの音楽を研究するためではあったのですが)
そのレッスンの中で散々やらされたのがメトロノームを使ったパッド打ち練習です
ドラムの練習即ちパッド打ち練習です
というか、メトロ使わないとテンポが200なのか、195なのかは、人間の感覚では絶対にブレます
体調の良し悪しもありますし
これはチューニングも同じことで、だからこそ演奏前にはみな基準音を共有して楽器を調整してから演奏を始めるわけです
本映画でもスネアドラムのチューニングをするのに主人公が基準音を要求するシーンがありますが、そのくせドラムのテンポの基準に関しては一切無関心なのが気になって仕方がありませんでした
しかもドラムの個人練習の方法も、ひたすらドラムセットを使った速打ちの練習で、筋肉の限界までテンポを上げて、手の豆が潰れて血だらけになってもうできん(ゼーゼー汗だく)、みたいな感じで「そうなのか?本当にそれで良いのか?」と思わずにはいられませんでした
本作は音楽にあまり詳しくない人のほうが楽しめる映画かもしれません
ラストシーンはそれでも面白い
そんな音楽的なあれこれが気になってなかなか集中できない心境の中でもラストシーンは意外性の塊で面白かったです
本番で鬼コーチに全然知らない曲をぶち込まれて、あたふたして恥をさらすも、鬼コーチから主導権を奪い去りバンドを支配する主人公ははかっこいいです
しかも、鬼コーチもだんだんノッてきて「もっと来い!」みたいな感じになって、2人笑顔(恍惚)になって、完、みたいな終わり方も唖然です
デートの誘い方が素敵
あと印象に残ったシーンとして主人公が映画の受付の女性をナンパするシーンがあります
主人公はどちらかというと内向的なタイプで女性遊びに慣れている感じではありません
それでも以下のようなやりとりで見事デートに誘うことに成功してしまうのです!
- 「元気?こういうのなんて言ったらいいのかな、その、前から君のこと可愛いと思ってたんだけど、今度デートしない?」
- 「…帰って(嫌悪)」
- 「いや、そんなつもりじゃなかったんですよ、気分悪くしたのならごめんね(大慌て)」
- 「冗談よ(にっこり)」
駆け引きなしで純粋に自分の気持ちを伝えているだけで、変ないやらしさがなく、とても主人公に好感が持てるシーンでした
なお、映画の本筋とは全く関係がないシーンです〆
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