愛していると言わないで

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ふと、「私は眞子さんを愛しております」という言葉が、頭の中でフラッシュバックした。
2021年の結婚会見。あの一言を、あなたは覚えているだろうか。


日本語の「愛している」という表現には、いつも少し違和感がある。
英語の “I love you” の直訳としてはあまりに重たく、どこか不自然に響く。

英語で “I love you” と言うのは、日常的な愛情表現だ。
家族に、恋人に、友人に、当たり前のように使われる。
しかし、日本語で「あなたを愛している」と言われると、
言葉そのものが浮いてしまう。
言っている本人も、聞いている側も、
その中身をうまくつかめずにいるような感じがする。


日本語では、もっと繊細で、間接的な言葉が多い。
「好きだ」とか、「大切に思っている」とか、「いとしい」とか。
そういう言葉のほうが、ずっとリアルで、体温がある。

だから、「愛している」と言われると、
本当かな?と思ってしまう。
「愛」という言葉に、あまりにも多くの意味が詰め込まれていて、
結果として何も伝わらなくなっている気がするのだ。


思うに、日本語は「愛」を語るのが下手な言語なのではなく、
むしろ「愛」を語らずに伝えるのが得意な言語なのだと思う。
沈黙や仕草、空気や間(ま)で伝える。
それが日本語らしい“愛の表現”だ。


だからこそ、私は思う。
どうか「愛している」と言わないで。
もっと、あなたらしい言葉で伝えてほしい。
もっと日本語らしい、重層的な表現で。


そしてもう一度、あの会見を思い出す。
「私は眞子さんを愛しております」と語った小室圭さん。
世間の注目が集まる中で、
あの言葉を選んだ彼、そしてその原稿を考えた人たちに、
私は少し首をかしげた。

——本当に、愛してる?
その「愛」、ちゃんとわかってる?

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