最近、岡本太郎の本を立て続けに読んでいたわけなのですが、岡本太郎のぶれないスジを通した生き方を目の当たりにして衝撃を受けると同時に、「そういえば同じ太郎つながりで、山本太郎という人がいたな、彼も何かのスジを通そうとしているように見えるけど、良く知らないな」ということで、唐突に山本太郎氏の軌跡を追ったノンフィクション「山本太郎 闘いの原点 ひとり舞台」を読みました
山本太郎氏といえば、けいやの中ではNHK大河ドラマ「新選組!」(2004年)の原田左之助の明るい役のイメージが強いのですが、国会議員になってからは真面目で険しい表情の人といったイメージが世間に浸透しているでしょうか
なぜ役者として一定の成功を収めていた彼がその地位を捨てて国会議員となったのか、ずっと不思議に思っていました
本書を読めば彼の生い立ちや彼が闘っている問題について知ることができます
本書の感想
あなたは今までの人生でハゲたことがありますか?
本書の冒頭はこのどきっとするパンチラインで始まります
山本太郎氏は円形脱毛症を2度患ったことがあるらしいです
一度目は選挙に出たとき(選挙ハゲ)、二度目は安保法案で戦ったとき(安保ハゲ)
彼曰く、「国の将来を憂い、人々を想い、悩み、考え抜けばハゲて当然」だそうです
多少冗談めかして書いてはいると思うのですが、それでもやっぱり相当な覚悟で仕事に取り組んでいることがうかがわれます
ちなみに、山本太郎氏の主な仕事は脱原発活動です
令和新選組の新党を立ち上げてからは、政策を掲げなければいけないので、いろいろ活動を広げているみたいですが、本書は彼が国会議員になる前までの話がメインのため、原発に危機感を覚えて俳優の事務所を辞めてさぁどうする、という経緯が詳しく述べられています
脱原発というある種のタブーというか、既得権益の坩堝(るつぼ)みたいなところにフロントマンとして切り込んでいくわけですから、相当なストレスにさらされることは想像に難くありません
言っておくけど、天然のハゲは認めないからな?
当然ですが天然のハゲは除くと注釈されています
すなわち、ハゲている=国の将来を真剣に考えている、ではないということです
むしろ本書を読んでいると、国会議員の多くはただ無駄にハゲているだけで、全然国のことを真剣に考えていない、自分の周りの既得権益を守ることに汲々としている、という憤りすら感じます
山本太郎氏の主張は原発の即時一斉停止です(少なくとも本書においては)
いや、それは別の影響で多数の死人が出るのでは?
とつっこみたくなりますが、そのぐらいの危機感というか強迫観念で取り組んでいるので周りの議員が生ぬるく見えるのかもしれません
歴代の総理は結構ふさふさ
本書の冒頭でいきなりハゲネタをぶち込まれたので、
「そういえば、歴代の総理ってあんまりハゲている印象ないけど、みんな真剣に仕事してるのかな?」
という邪念が生じてしまいました
で、確認してみると、結構ふさふさなのね、日本の総理大臣って
最近で一番はきていたのはまだ記憶に新しい令和おじさんこと第99代首相の菅さんです
それより前になると、ずっと遡って第78代の宮澤喜一さんくらいでしょうか
というか、ツル多はげます会に入会できそうなツルツルな総理っていないんですね
やっぱり上に立つの者として、ある種の日本のアイコンとして、見た目を若々しくさせる毛量は重要な要素なのかなと思いました(育毛にも気を使えるから出世する、という言い方もできるのかもしれませんが)
メロリンQ
みなさんはメロリンQってご存じですかね
けいやは知りませんでした
山本太郎が芸能界に入るきっかけになった、ダンスというかネタのことです
メロリンQが何なのかを言葉で説明するのは難しいので、これはもう動画を観てもらうほかありません
高校一年生、若干16歳の山本太郎氏です
本書によると、ダンス甲子園というテレビ番組を観て、「こんなのでテレビ出れるなら楽勝じゃん」と思って応募したそうです
若さとノリと勢いで突っ走りきっているのが気持ち良いです
なお、左右の二人は自分の言うことをききそうな従順な奴を選抜したとか
今の山本太郎氏は真面目で真剣な表情の方が印象的で、あまり取っつきやすいイメージがないですが、彼のことが嫌いになりそうな人は、このメロリンQを思い出してあげてください(余計に嫌いになる人もいそうですが)
彼は本来こういう弾けたノリが好きな人なのだと思いました
メロリンQを知るとちょってイメージ変わりますよね…
子供の命を守りたい
そんなメロリンQがなぜ俳優を辞めて、脱原発活動を始めたかというと、とにかく子供の命を守りたいという想いからのようです
彼自身も3.11の原発事故後に、自分の身は自分で守るしかないということで、20年の芸能生活で手に入れた東京のマンションを売り払って引っ越しています
思い出深い自分の城を手放すほど、彼は放射能に対する危機感を強く持ったようです
「平常時の一般住民の被爆線量限度を年1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げ」というのが、科学的にどのような意味を持つのか、けいやには理解できていませんが、政府の「直ちに健康に害は及ばない」という説明は確かに胡散臭いとは思います
そんな放射線量が高い場所にも相変わらず子供を含め人々が住んでいます
そんな状況を黙って見過ごすわけにはいかない、とういことで立ち上がったという経緯が良くわかる本書でした〆
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