佐藤友美「書く仕事がしたい」を読む

ライターとはどんな職業なのだろう、ということで佐藤友美氏の著書「書く仕事がしたい」を読みました

読了直後の感想は以下のとおり

本書は文章術の本ではなく、ライターがどうやって仕事をしているか、いくら稼げるのか等々、ライターの仕事の実態を浮き彫りにしてくれる本であるため、ライターに興味がある、ライターをやってみたいという人には必読の本だと感じました

本書の感想

書く仕事の種類

「書く仕事」と一口に言っても、その種類はいろいろあります

本書では以下のように整理しています

~書く仕事の種類~

  • ライター → 人の考えを書く職業
  • 作家
  • 小説家
  • コラムニスト → 自分の考えを書く職業
  • エッセイスト → 自分の考えを書く職業
  • 脚本家
  • ジャーナリスト

~書く仕事に関係する仕事の種類~

  • 編集者
  • 翻訳者 → 外国語の意図を理解して日本語に表現する職業
  • 校閲者

そして、ライターの仕事は翻訳者の仕事に最も近いと著者は言います

それは、対象者の意図を理解して最も適切な日本語表現に置き換えていく作業が、ライターと翻訳者で共通しているからだそうです

書く仕事がしたいと思っている人の中には「自分の考えを書きたい」と思っている人も多い気がします

そのため、「自分のやりたいこと」と「書く仕事に求められること」が合致するかは事前によく考えておかなければいけないと思いました

例えば、自分の考えを書きたい人がライターという仕事を選択すると、上手くいかないのではないかということです

ライターに必要なスキル

続いてライターに必要なスキルです

  • 取材力 → ネタを作る力
  • 相場感 → 必要とされる情報を取捨選択する力
  • 編集力と構成力 → わかりやすく伝える力
  • 表現力と演出 → 印象に残す力

この中でも特に取材力が重要のようです

それはライターは人の考えを書く仕事であるので、ネタがないと何も書けないからです

逆にネタさえあれば、文書表現がそこそこでも、編集者の力を借りるなどしてなんとかなるものです

本書を読むまでは、ライターは自室にこもってパソコンでひたすら文章を書いているような印象を持っていました

しかし、それは全くの間違いで、良きライターは良き取材者でなければなりません

ゆえに、コミュニケーション・スキルが非常に求められる仕事です

そのため、「コミュニケーション・スキルに自信がないからライターになろう」なんてことは「短距離走が苦手だからラグビーをやろう」くらいおかしなことなのでやめた方がよさそうです

徹子式とタモリ式

本書に「徹子で触って、タモリで脱がせる」というやたらキャッチ―なタイトルの章があります

ライターをやっていると、こういうコピーライター的な力も備わっていくのかなと思いました

一応内容も紹介しておくと、インタビューの方法には徹子式とタモリ式があるよということです

  • 徹子式 → 時系列に沿って話を聞き出す
  • タモリ式 → ひとつのテーマに関して質問を繰り返して深堀りする

思って気体、話して液体、書いて個体

これは言い得て妙だなと思った話です

思っただけではフワフワしていて捉えどころがないので気体みたいなものである

それを言葉にして話してみることは思考を液体にするようなものである

しかし、液体なのでその場限りで流れ去ってしまう

流れないようにするためには、思考を文章化して個体にする

しかし、その個体は気体であったもとの思考とは若干ずれが生じている

思う・話す・書くを物質の三態である気体・液体・個体に例えた考え方で、なるほどと思いました

ところで物質には第四の状態、プラズマという態(相)があるのですが、これは思う・話す・書くの例えではどこに相当するのでしょうか

プラズマは気体を超高温にしたら至る態(相)です

そのため、思うの前にくるということで、感じる・インスピレーションが相当するのかなと思いました

  • 感じる ⇔ プラズマ
  • 思う ⇔ 気体
  • 話す ⇔ 液体
  • 書く ⇔ 個体

さらに考えを進めてみると、物質には気体・液体・個体の三態が共存する三重点といものがあります

物質の温度と圧力を調節すると三重点に持っていくことができます

以下の動画はシクロヘキサンの三重点動画です(不思議ですね!)

さて、これを思う・話す・書くの例えに当てはめてみると、三重点とはプレゼンテーションのような場のことを指していて、この場合の温度と圧力は、観客とプレッシャーに例えることができるのではないかと考えたりしましたが、訳が分からなくなってきたのでこの辺でやめにしたいと思います〆

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