人生は無常である。徒然草に続き、ああ無常な随筆・方丈記。鎌倉時代とはそれほどまでに栄枯盛衰を実感する時代であったのか。貴族階級の衰退、武士の台頭、平家の没落。さらには大火事、竜巻、大飢饉、大地震。人類の覇権争いによる時代の変化とは別に、文明を破壊する自然災害の影響をより色濃く受けたのが鴨長明らしい。
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【鴨長明:方丈記】無常観の基礎は若い頃に経験した各種災害。ただ中年以降は無常観を身に着けた資産家のお遊びに見えなくもない。
— Keiya | 強くなりたい (@2R8R9) March 4, 2023
23歳:大火事
26歳:竜巻
27歳:大飢饉
30歳:下鴨神社の実家を追い出される
31歳:大地震
30・40代:歌人として少しもてはやされる
50歳:出家
54歳:方丈の庵を結ぶ
翻って現代。世界の覇権争いは相変わらず続いているが、戦後70年、覇権国アメリカの没落までは至っていない。日本人にとっては、3.11などの自然災害の驚異のほうが身近な存在だ。日本の世相の雰囲気としても、無常感(無常観)というよりは経済や人口が拡大しないことによる閉塞感のほうが強いと感じる。
ということで、現代の日本で随筆を書くなら閉塞感をテーマにするのがぴったりである。
- 街を歩いていたら老人ばかり目につくよ
- 利用する店舗やサービスが外資ばかりだよ
- 給料が上がっていないのに物価が上がっているから生活が苦しいよ
こんな感じの身近な話を徒然なるままに書きつければ、令和の徒然草・方丈記になること請け合いだ。読んでいてい心が晴れるものではないかもしれないが。〆
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