「すごい宇宙講義」を読んで宇宙に興味が湧いたので「ガガーリン 世界を変えた108分」を視聴しました
ユーリイ・ガガーリンは人類初の有人宇宙飛行を成功させたソ連の軍人です
本作は2013年制作のロシア映画です
映画の感想
偉業を達成してもどことなく暗い雰囲気
本映画は、ガガーリンの宇宙飛行の様子を、過去の生い立ちや訓練を振り返りながら描きます
米ソ冷戦時代真っ只中なので、「敵国アメリカに負けるな!」というモチベーションが非常に高いのですが、社会主義国特有の閉塞感と日照時間が短いロシアの気候が相まって、とても暗い雰囲気です
ガガーリンが無事に地球周回軌道に到着したニュースがラジオで流れた際は、流石にロシア中が沸き立ちますが、それでもやっぱり何か重苦しい雰囲気を感じます
当時の時代を忠実に再現した結果なのか、ロシア映画が全般的にこのような雰囲気なのかわかりませんが、普段日本やアメリカの映画ばかり観ている人にとってはかなり新鮮に映ると思います
ギリギリ感がすごい
事前知識のイメージだと、ガガーリンが宇宙船から悠然と出てきて最初に放った一言が「地球は青かった」というのを想像していたのですが、実際は全然違いました
そんな悠長な話では全然ないです
まず「人間って無重力状態で生きられるの?」という素朴な疑問すら解消していないようで、ガガーリンは命がけです
また帰還の際は、宇宙船の大気圏突入後しばらくで、座先を宇宙船から射出してガガーリンはひとりパラシュートで地表に降り立つというなんとも危険極まりないものでした
そんなギリギリの技術で人を宇宙に送るなよ、と云いたくなりますが、当時の米ソ冷戦の状況を考えると、なんとしてもアメリカよりも早くということで、やむを得なかったのですかね
なお、本映画では「地球は青かった」のエピソードはありません(実際になかったということかな?)
地球周回軌道に投入されたガガーリンは、リアルタイムで地上側と交信し、もっと自然な感じで「青い地球が見えますね~」等々、喋るシーンがあります
米ソの熾烈な宇宙開発競争
宇宙船をアメリカに見られたくないので「宇宙船が帰還の際にアメリカに着いてしまったら爆破しよう」と云っているくらい、米ソはいわゆる冷戦の真っ只中です
以下は米ソの宇宙開発競争のざっくりとした史実の整理です
- 1957年(ソ連):世界初の人工衛星(無人)スプートニク1号の打ち上げに成功
- 1958年(アメリカ):人工衛星エクスプローラー1号の打ち上げに成功
- 1961年4月(ソ連):ガガーリンが世界初の有人宇宙飛行に成功
- 1961年5月(アメリカ):ジョン・F・ケネディがアポロ計画を発表
- 1962年(アメリカ):有人宇宙飛行に成功
- 1969年(アメリカ):アポロ11号が月面に到着
有人宇宙飛行まではソ連がリードしていましたが、最終的にはアメリカが先に月に到着したといった感じです〆
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