「イクラって鮭(さけ)イクラと鱒(ます)イクラがあるみたいだけど、具体的には何が違うのだろう?」
本記事では鮭イクラと鱒イクラの違いについてわかりやすく説明します
鮭(さけ)イクラと鱒(ます)イクラの違い
細かい話は置いておいて、ざっくりと違いを説明すれば、鮭イクラを基準とした場合、鱒イクラの方が小粒でリーズナブルと覚えておきましょう
味については、鱒イクラの方が甘みが強い・濃厚と表現される場合もありますが、これは鮭と鱒の違いと云うよりは、魚自体の個体差および加工時の塩・醤油等の味付けによるところが大きいと考えられます
なお、冒頭で「細かい話は置いておいて」と書いたのは、鮭イクラと鱒イクラの違いをしっかりと理解するためには、鮭と鱒の違いを知っておく必要があるためです
そして、この鮭と鱒の違いというのが厄介で、説明をしだすと話が複雑になっていきます
鮭(さけ)と鱒(ます)の違い
学術的な違い
鮭も鱒もどちらもサケ目サケ科○○族に属する魚のため、学術的には鮭と鱒の区別はほとんどありません(○○族の違いだけ)
どのくらい違いがないかと云うと、他の動物の分類と比較してみるとわかりやすいです
- 猫:ネコ目ネコ科
- 犬:ネコ目イヌ科
- 鮪(まぐろ):スズキ目サバ科
- 人間:霊長目ヒト科
つまり、鮭も鱒も同じサケ科なので、猫や犬で云うところの品種程度の違いしかなく、分類学的に意味のある違いはほぼありません
商業的な違い
それではどのようなルールで鮭と鱒の名前が使い分けられているのでしょうか
結論から書いてしまうと、鮭と鱒の名前の使い分けに関しては明確なルールがないというのが現状です
それでは全くデタラメに名前をつけているのかというと、そういうわけでもなく以下のような傾向はあります(傾向なので例外あり)
- 鮭:海に降りる個体(降海型)
- 鱒:河川に残る個体(河川残留型、陸封型)
以下に鮭/鱒の品種を型別に列挙します
同じ品種であっても型によって名前が変わるものもあります
降海型 | 河川残留型(陸封型) |
サケ(シロザケ) | ― |
カラフトマス(アオマス、ピンクサーモン) | ― |
ギンザケ | ― |
ベニザケ | ヒメマス |
サクラマス | ヤマメ |
サツキマス | アマゴ |
シートラウト | ブラウントラウト |
ニジマス(スチールヘッド) | ニジマス(レインボートラウト) |
キングサーモン(マスノスケ) | キングサーモン(マスノスケ) |
なお、上記の表では降海型で「マス」と名前がついているもの(傾向の例外)を青字にしています
表を見ると、鮭は降海型で、鱒は降海型・河川残留型(陸封型)どちらもあると云う方が傾向を正しく表現しているかもしれません
鮭イクラと鱒イクラの違いの理由
さて、そんな分類の基準が曖昧な鮭と鱒ですが、それではなぜ「鮭イクラを基準とした場合、鱒イクラの方が小粒でリーズナブル」と云えるのでしょうか
この特徴もあくまで鮭→降海型&鱒→河川残留型(陸封型)の傾向に照らし合わせた結果から来ています
つまり、海のほうが栄養が豊富で魚が大きく育つのです
即ち、降海型の鮭の方が豊富な栄養を摂取して大きく育ち、その結果イクラも大きく育つということです
ただし、これはあくまで「鮭→降海型&鱒→河川残留型(陸封型)」のルールに則った説明であり、上記の表で見たとおり例外が多分に存在するので注意が必要です
上記の表の結果を考慮すると「鮭イクラの方が粒が大きい傾向にある」くらいが無難な表現なのかもしれません
おわりに
本記事では鮭(さけ)イクラと鱒(ます)イクラの違いについて説明しました
傾向としては「鮭イクラを基準とした場合、鱒イクラの方が小粒でリーズナブル」と云うことができますが、鮭と鱒の分類上の曖昧さにより、正確な特徴の表現が難しい側面もあります
結局は、産地それぞれでイクラの味が異なるので、産地毎の特色を味わってみないとわからないというのが答えなのかもしれません
個人的にはやっぱり北海道産(特にオホーツク海産)のイクラが美味しいと思います〆
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